「保険辛口ランキング100」書評その2 ~保険で失敗しないための予備知識~
これから書かせてもらう内容は「保険辛口ランキング100」という雑誌に掲載された、「保険契約に隠されたカラクリ&罠41連発」の書評になります。
同雑誌内の他テーマについての書評は以下になります。
・「保険辛口ランキング100」書評その1 ~がん保険と専門家選びの重要性~
・「保険辛口ランキング100」書評その3 ~損をしない二者択一で、保険を極める~
全体的な感想
日本人のおよそ8割が何かしらの生命保険に加入しているデータがある中で、自信を持って今加入している生命保険が良いと言える人はいったいどの程度いるのでしょう。専門家や保険に携わっている人以外で考えた時、おそらくそのような人は僅かだと思います。
そして、この8割の多くが良い生命保険の答えを常日頃から探し求めているのだろうと考えます。
本書はそのような答えを探し求めている人に対するガイド本です。
約100ページ構成からなる本書はいわゆる雑誌扱いではありますが、「日頃から良い生命保険を求めている人」「初めて生命保険に加入するからこそ最初から失敗したくないと考えている人」にとって、正に「教科書」と言っても過言ではありません。
極端な例のようで率直な意見ですが、経験が浅く知識が乏しい保険担当者から加入するよりも「まとも」な生命保険に加入できると考えます。
それは本書の内容に関わっている専門家(ファイナンシャルプランナー)がさまざまな角度から保険に携わっており、知識や経験だけでなく第一線で活躍しているプロフェッショナルで構成されていることが挙げられます。私も同様の専門家でありますが、生命保険に加入する際の基本的に必要な考え方や心得など、保険担当者がまずもって教えない情報が数多く盛り込まれている点も本書を高く評価できる理由です。
保険営業マンに騙されないためのワザ
本書の数多い情報の中でも「代理店で騙されないための究極の知恵袋、保険に隠されたカラクリ&罠41」というコーナーは、前述した代理店の保険担当者がまずもって教えない情報が41項目で凝縮されており、必ず目を通しておきたいものです。
41項目の凝縮された「罠」の一部を、解説と私の考えを付け加えて紹介します。
保険料負担がキツイときは
①保険金の減額
②特約部分の解約
③払済
④延長保険
のいずれかを検討しよう。一度主契約を解約して再契約すると保険料が値上がりすることが多い。とくにお宝保険は解約を避けたい。
保険辛口ランキング100 保険契約に隠されたカラクリ&罠41連発より引用
これが保険営業の現場だと例えば、
消費者「保険料を支払うのがきつくて何か安い保険ありませんか?」
営業マン「たしかに。それならもっと良いのがありますよ!この保険を解約して・・・」
といった会話が目に浮かびます。
保険料は安く提案するのは簡単ですが、保障まで安くなっては本末転倒です。生命保険の加入目的は何か、なぜ生命保険に加入しているのか再認識できる罠と言えます。
県民共済の死亡保障は基本的に上限額が2,000万円。ただ65歳以上は400万円、80~85歳は100万円とグッと保障上限額が下がる。掛け金の選択肢も少ないので、保障が手薄になりがちだ。
保険辛口ランキング100 保険契約に隠されたカラクリ&罠41連発より引用
県民共済を生命保険として活用している世帯は実に多い印象を受けます。
安い掛け金、割り戻しなどお得な錯覚をさせてくれますが、そもそも年齢を重ねるほど病気や死亡リスクが高くなります。
県民共済は年齢を重ねるほど保障が低くなるため一生を考えると不十分と言えます。単体ではなく他の生命保険と併用して活用すべき商品と考えます。
女性専用の医療保険は女性特有の疾病について「保障の上乗せ」であって、保障対象外となるわけではない。保険料もその分上乗せされているので注意。
保険辛口ランキング100 保険契約に隠されたカラクリ&罠41連発より引用
解説の通りです。
昨今では保険会社全般で女性向けの保険を推しているのが多々見受けられますが、実際のところ入院保障などの上乗せであり保険料も割高です。一般の医療保険でも女性疾病は保障されますし、しっかりとした保障金額を確保しておくことで女性疾病に捉われず万能に保障される保険契約が可能になります。
以上、3つのだけ記事から紹介しましたが、残る38項目の解説についても読者にとってはうなずける内容になっています。
保険営業を受ける前に、まず知識を身につけよう
保険加入の仕方は一昔前と異なり、生保レディーといった営業対面販売が少なくなってきております。同じ対面販売でも保険ショップや保険代理店へ赴くスタイルやダイレクト型(通販型)といったスタイルがインターネットやスマートフォンの普及で多くなっています。
以前より増して、保険加入における自己責任や予備知識が必要とされている時代に、本書は良い保険に加入するための模範であると考えます。
住宅の次に高い買い物と言われる保険だけに「おかしな」保険に加入した時の損失は大きいものがあります。
後悔先にたたず!失敗する前に読んでおきたい専門家推しの1冊です。
同雑誌内の他テーマについての書評は以下になります。
・「保険辛口ランキング100」書評その1 ~がん保険と専門家選びの重要性~
・「保険辛口ランキング100」書評その3 ~損をしない二者択一で、保険を極める~
PC用
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