「保険辛口ランキング100」書評その3 ~損をしない二者択一で、保険を極める~
これから書かせてもらう内容は「保険辛口ランキング100」という雑誌に掲載された、「保険で損しないのはどっち?」の書評になります。
同雑誌内の他テーマについての書評は以下になります。
・「保険辛口ランキング100」書評その1 ~がん保険と専門家選びの重要性~
・「保険辛口ランキング100」書評その2 ~保険で失敗しないための予備知識~
書籍全体への感想
「保険辛口ランキング100」は生命保険の選択に頭を悩ませている数多くの人に対するガイド本です。と言ってもありきたりのガイド本ではありません。
生命保険の考え方、保険販売員が絶対に教えないカラクリ、年代別のベストプラン紹介など正に生命保険の教科書と言っても過言ではありません。加えて、本書の解説は専門家であるファイナンシャルプランナーが携わっている点も掲載内容に大きな信頼を与えてくれます。
全部で約100ページ構成の本書は、詳細な生命保険の加入方法解説、保険商品の特徴や価格の紹介、漫画で保険販売員の悪徳手口解説といった読者がピンポイントで知りたい内容を凝縮した1冊となっており、保険業界の関係者が公然とは口にしない真実がそこには記載されています。内情に接することがない読者からすると自然と本書を手にしてしまうのは当然でしょう。
「この保険とその保険、どっちが良い?」
その中でも、本書のテーマの1つである「保険で損しないのはどっち?」という記事は目通し必須です。
保険の選択に頭を悩ませている読者が「二者択一」で究極の保険選択に悩んだ時、背中を押してくれる頼りがいのある内容となっています。記載されている二者択一は大きく8つに分けられており、
ネット直販 VS 対面型
がん保険 VS がん特約
個人年金保険 VS 終身保険
終身払い VS 短期払い
女性向けタイプ VS 標準タイプ
ドル建て VS 円建て
定期型 VS 終身医療保険
団信 VS 民間の生命保険
といった内容になっています。
どちらが良いのか頭を悩ませる読者には正にうってつけの内容であり、読み終えた後の充実感は容易に予測できます。筆者も同じ専門家として首をうなずけた内容も読者目線でわかりやすく紹介されている印象を受けました。
「ネット直販 VS 対面型」 保険料が安いのはどっち?
判定 生保は対面型、自動車保険はネット直販が有利
保険辛口ランキング100 保険で損しないのはどっち?より引用
店舗や人件費を削減したネット直販が圧倒的に安い印象を受ける保険ですが、生保は対面型、自動車保険はネット直販が有利という判定結果が本書では紹介されています。昨今の保険事情から「ネット直販=保険料が安い」という概念をわかりやすく覆しており、保険選びの考え方が上手くまとまった内容になっています。
「個人年金保険 VS 終身保険」 返戻率はどっちが高い?
判定 単純な返戻率の差でみると個人年金保険がおとく
保険辛口ランキング100 保険で損しないのはどっち?より引用
こちらの比較は老後の生活資金を確保するために個人年金保険と終身保険のどちらに加入した方が満期の返戻金はより多くもらえるのかといった内容です。中途解約における返戻率や所得税の緩和を受けるための所得控除の紹介もされており全体的には良い内容になっていると考えます。
紹介している内容で残念な点を挙げるとすれば、税金の用語について誤っている点が挙げられます。終身保険は「生命保険料控除」といくらか正しく表記されておりますが、個人年金保険は「個人年金保険料控除」と表記されており、これは大きな誤りです。正しくは「生命保険料控除 個人年金用」と表記し、終身保険は「生命保険料控除 一般用」としなければなりません。
また、「生命保険料控除 個人年金用」の適用を受けるためには「税制適格要件」を満たした契約でなければなりません。保険加入者の長い将来に渡って大きな影響を及ぼすだけにこの説明を省略してはなりません。こちらの詳しい説明は文字数の関係で割愛させていただきますが、ネット検索などで一度確認することを強くお勧めしたいと考えます。
批判ついでにもう1つ言わせていただきたいことがあります。
「定期型 VS 終身型医療保険」 保険料重視ならどちらがお得?
判定 保険料重視なら定期型が魅力
保険辛口ランキング100 保険で損しないのはどっち?より引用
「定期型」の方が終身型医療保険に比べて保険料が安いのは間違いありません。そして、契約更新するたびに保険料が上昇することを明示している部分は大きく評価できます。
しかし、専門家目線で将来のお金を考えると、終身型医療保険の方が結果として得な場合もありえます。保険料重視とは短期的な目線でものごとを比較しているに過ぎず、長期的な考え方も本テーマに盛り込んでもらいたかったという印象を受けます。
節約をとるか保障をとるか
本テーマの比較は保険選びの二者択一として「参考」になる内容であることは間違いないでしょう。ここでは参考という言葉を使わせていただきましたが、保険は自分好みに設計できる特徴があります。要は「保障を大事にするか」「今のお金を大事にするか」といった最初の「二者択一」で選ぶべき保険がさまざまであると伝えたいのです。
もし、二者択一で「今のお金を大事にする」といった保険料を重視する人は、本テーマに目通しすることをお勧めしたいと考えます。保険料を低く抑えるさまざまな方法が紹介されていますので、その中からできるものを活用してみるのもよいでしょう。
同雑誌内の他テーマについての書評は以下になります。
・「保険辛口ランキング100」書評その1 ~がん保険と専門家選びの重要性~
・「保険辛口ランキング100」書評その2 ~保険で失敗しないための予備知識~
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