若年者が知っておくべき生命保険の選び方
この記事では、「若年者が知っておくべき生命保険の選び方」と題して、将来において役に立つ生命保険の選び方を紹介していきます。
結論から先に申し上げると、「相談料を少し支払ってでも、生命保険を取り扱っていない(販売していない)FP(ファイナンシャルプランナー)に相談してみるべき」です。
早速、この理由について人生のライフイベントと共に考えていきましょう。
1.就職時
高校や大学などを卒業して社会人になるということは、親から自立したと考えることができます。就職をすることで、生命保険に自分の名前で契約することができるようになるだけでなく、自分が働いて稼いだお金で生命保険料を支払っていくこともできるようになります。
生命保険の保険料は、「年齢が高くなればなるほど金額が高くなる」といった仕組みがあり、これはどこの保険会社でも変わることはありません。つまり、就職をしてから早いうちに生命保険に入ることは、支払う保険料が少なくて済むという良い結果につながります。
生命保険の加入前に知っておくべきこと その1
傷病手当金とは、病気やけがで働けなくなってしまった場合に、給料の代わりとして支給されるお金のことをいいます。ただし、傷病手当金は誰でも支給されるものではなく会社員や公務員など、「健康保険に加入している人」が対象となります。
また、注意点として「扶養されている配偶者や子どもは傷病手当金の支給対象にならない」こと、「転職や独立などで健康保険に加入しないことがある」といったことも考慮しながら、生命保険選びをする必要があります。
大切なのは今だけを考えるのではなく、一生涯において役に立つ生命保険を選び、加入することです。
生命保険の加入前に知っておくべきこと その2 高額療養費制度
高額療養費制度とは、病気やけがで入院や手術をしたときに支払う医療費が、年齢や所得の状況に応じて計算され、その計算の結果に基づいた限度額までを支払えばよいといった社会保障制度です。
これは、健康保険、国民健康保険、後期高齢者医療保険など公的保険の種類を問われることはありません。
生命保険の加入前に高額療養費制度について知っておくことをはじめ、無駄な保険料や過大な保障を避けるためにも高額療養費制度を考慮した生命保険設計が必要になります。
こちらも傷病手当金と同様に、今だけでなく一生涯を加味した上での生命保険選びが大切です。
以前書いた関連記事 これだけは知っておくべき高額療養費制度の4つのポイント
2.結婚時
「結婚」というライフイベントをきっかけに生命保険に加入する人も多いと思います。就職時と同様に、若いうちから万が一の保障を確保しておくことは効果的であることに変わりありません。
現在は、夫婦共働きの時代や3組に1組は離婚をしているという時代であることを踏まえますと、男性、女性、どちらも個々の生命保険契約をしておくことが望ましいと思います。
一昔前は、夫100%保障、妻60%保障といった1つの契約でどちらも保障される生命保険がありましたが、時代の流れと共に保険加入や保険設計も変わっていくものです。
保険金受取人を配偶者とし、保険契約者と被保険者を自分にしておくことで、個々の生命保険契約を持つだけでなく、離婚した場合におきましても生命保険の保障が無くなることはありません。
いつ何が起こるかわからないのは、夫婦生活も同じですので、結婚したばかりの人には水を差すようで大変申し訳ないのですが、1つの選択肢として検討してみるのもよいのではないでしょうか?
生命保険の加入前に知っておくべきこと その3 遺族年金制度
私たちが20歳になると強制加入となる国民年金や会社へ就職すると加入する厚生年金などには、遺族年金制度があります。
遺族年金制度は、残された家族(遺族)に対して支給されるお金になりますが、こちらもすべての人が支給されるものではなく、家族状況、年齢、性別、収入などさまざまな条件が関係することになります。
さらに子どもがいなければ支給されない遺族年金のほか、遺族年金の支給される期間が限定されてしまう場合など、生命保険の加入前に知っておかなければならないことが実はたくさんあります。
3.子育て時
子どもが誕生すると、親としての責任が生じることになりますので、生命保険で万が一の保障を確保しておくといった考えになる人がとても多いと思います。
これまで解説してきた「就職時」「結婚時」「子育て時」の中では、圧倒的に子育て時が生命保険に加入するタイミングとして多い印象を受けます。夫婦の職業や年収、家族構成などを考慮しながら生命保険設計をしていくことが大切なポイントです。
生命保険の加入前に知っておくべきこと その4 教育費用
子どもが誕生すると、万が一の保障のほかに、将来の教育費用についても考える必要があります。
多くの親御さんは、学資保険に加入して教育費用の一部を確保する傾向がありますが、子どもの教育費用を具体的にどのようにして確保していくのか計画を立てて実行していく必要があります。
これは、進学する予定の学校が「公立」「私立」によっても準備する金額が大きく変わってきますので、学資保険の保障金額もこれらの条件に合わせて変えていかなければなりません。
また、昨今では「給付型奨学金」を各政党が公約に掲げておりますが、それぞれの地方や企業では独自の給付型奨学金を始めているところがたくさんあります。
子どもの将来は子ども自身が決めるべきものではありますが、給付型奨学金や貸与型奨学金も念頭に入れながら教育費用を考えることも大切と言えるでしょう。
生命保険の加入前に知っておくべきこと その5 団体信用生命保険
あこがれのマイホームを購入する場合、多くは住宅ローンを申し込んで購入することになると思います。このとき、団体信用生命保険に加入することが住宅ローンの融資条件の1つである金融機関も多く存在します。
団体信用生命保険は、住宅ローンを完済する前に死亡や高度障害に陥ってしまい、住宅ローンの返済が滞らないようにするための担保であり、団体信用生命保険の保険金と住宅ローンの債務を相殺するといった役割がある生命保険です。
万が一の場合は、結果として、住宅ローンが無くなることになりますので、残された家族が生活に困窮しないような保障を備えた生命保険に加入することが大切になります。
生命保険の加入前に知っておくべきこと その6 老後資金
生命保険会社などでは、「老後の生活資金は○千万円必要です」といった表現が多くなされており、インターネット、書籍、挙句の果てには、政府の家計統計まで出されております。
しかし、ここで皆さんに冷静に考えていただきたいのですが、住んでいる都道府県によって収入も違えば物価も違います。また、人それぞれの価値観が異なりますので、老後の生活資金や必要資金はすべて異なっていて当然ではないでしょうか?これを前置きせず、ただ「老後の生活資金は○千万円必要」と言われても納得できますでしょうか?\
老後資金を考える上で大切なことは、現在の自分の生活水準を基準とした中で老後生活をイメージすることだと思います。一般的に考えますと年齢を重ねると食費は今よりもかからなくなると思います。
一方で医療費や介護費が多くかかる可能性は決して否めません。自動車を運転できず、交通費も多くかかるかもしれません。
このようにより具体的な予測をした上で、どのくらいあれば足りそうか、足りない場合はどこから捻出すればよいかなどを考える方がよっぽど合理的であると思います。老後資金は○千万円必要は、あくまでも参考程度にしておくことが大切です。
4.まとめ
本記事では、若年者が知っておくべき生命保険の選び方について幅広く解説しました。
インターネットやスマートフォンが当たり前に普及している現代において、わからないことは、何でも簡単に調べられる時代となっています。
「ググる」という造語があり、言葉を聞いて意味が理解できる人が多いほど、ネットやスマホで情報検索することが普通になっておりますが、生命保険におきましても実際に「ヤフー知恵袋」や「教えてgoo」といったサイトで生命保険の質問掲示板をのぞいて見ますと、多くのみなさんが、さまざまな錯綜した情報から何が一体正しいのか理解することができなくなっているように見受けられます。
この理由は、質問に対して回答をしている人の「主観」が入り混じっており、結果として回答者の回答が一致していないためです。
生命保険を販売していないFPへ生命保険の「希望」や「家計」を相談しながらアドバイスをもらうことで、自分たちに合った良い保険を提案してくれることでしょう。
なぜこのような回りくどい方法が良いのかと申しますと、これは、生命保険を販売して自分の利益になるといった心配がないためです。つまり、相談者から報酬をもらってアドバイスをする責任や信用が発生するためにいい加減なことはできないことにつながります。
「ただはただなり」のサービスしか得られないのが当然であり、ただで質の高いサービスを得ようとする考えは、少々むしが良すぎるのではないでしょうか?
生命保険は、過去にさかのぼってやり直すことができないものであるだけに、最初が肝心であることをよく肝に銘じておく必要があると思います。一生皆さんの人生を守ってくれる良い生命保険に加入できることを祈りつつ、結びとさせていただきます。
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