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医療保険制度改革と医療保険の見直しポイント

公開日: : 医療保険, 社会保障や公的保険

2015年5月に「医療保険制度改革法案」が成立し、2016年4月より施行されています。

この記事では、制度改正の主な内容と、それに伴う医療保険の見直しポイントについて解説していきます。

ここが変わった!医療保険制度

制度改正の主な内容について、多くの方に関係する項目を5つにまとめました。

1.入院時食事療養費の負担がアップ

病気やケガで入院した場合、治療などにかかる費用に加えて、食事代として「入院時食事療養費」を自己負担する必要があります。この食事にかかる費用が段階的に引き上げられることになりました。

1食あたり100円ずつの値上がりですが、1日あたりでは300円、1か月(30日間)入院すると今年の4月からは負担額41,400円となり、従来から18,000円も値上がりしたことになります。

入院期間が長期になるほど負担も大きくなるため、医療保険などで準備しておくといざというとき安心です。

2.紹介状なしでの大病院受診は、定額負担が必要に

2016年4月からは、紹介状なしで大病院(特定機能病院・一般病床500床以上の地域医療支援病院)を受診した場合、初診料5,000円(歯科は3,000円)以上、再診2,500円(歯科は1,500円)以上を診察料とは別に定額負担することになります。

かかりつけの病院がある方にとっては大きな法改正ではありませんが、普段病院にかかっていない方の場合、思いがけない医療費負担を強いられることになります。

ただし、緊急やむを得ず大病院へ搬送されたときなどは、定額負担の対象外となります。

3.標準報酬月額の上限引き上げ

健康保険料は標準報酬月額を基準にして金額が決まりますが、法改正によりこの標準報酬月額の上限が引き上げられました。従来の47等級に新たに3等級が追加され、50等級となりました。

これにより1か月の報酬が117.5万円以上の人は、健康保険料が値上がりする可能性があります。高額な報酬を受け取っている人からは、健康保険料もより多く徴収することで負担の公平化を図るというものです。

4.傷病手当金・出産手当金の算出方法の見直し

傷病手当金と出産手当金は、これまではその時点での標準報酬日額(標準報酬月額の30分の1相当額)を基準に算定していました。法改正後は、直近1年間の標準報酬月額を平均した額を基準とすることになり、算出方法がやや複雑になっています。

<傷病手当金とは>
業務外の病気やケガなどで働けなくなった場合に国から支給されるお金のことです。休んでいる間、給料が支払われないとき、生活を保障するための制度です。

<出産手当金とは>
出産のため会社を休んでいる場合に国から支給されるお金のことです。産前産後の休業期間中について、給料が支払われないときの生活を保障するための制度です。

5.「患者申出療養」が新しくスタート

患者申出療養とは、日本ではまだ承認されていない、保険適用外の治療法や薬の使用を患者が希望した場合、今までよりも軽い負担で受けられる制度です。患者申出療養の申請後、安全性や有効性等について国の審査が行われます。

医療保険の見直しポイント

医療保険制度の改正内容を理解したら、次に加入中の医療保険の見直しを検討しましょう。ここではおすすめの見直し方法や考え方をご説明します。

ポイント1 自己負担分の増加に対する備えを考えよう

今回の制度改正では、医療費の自己負担分の増加がありました。医療保険で見直すべきポイントは、この増加分を今の保障でカバーできているかどうかということになります。

自己負担分には、原則3割負担の医療費のほか、保険対象外となる入院時食事療養費、差額ベッド代、先進医療の技術料などがあります。

1か月間入院した場合の自己負担金額がどれくらいになるかシミュレーションしてみましょう。

<前提>
普通の会社員が病気で1か月間入院、手術を受け、医療費が100万円かかったとします。

<自己負担>
医療費  87,430円  *高額療養費制度を利用した場合の自己負担限度額
入院時食事療養費 32,400円(平成30年4月以降は41,400円)

その他、差額ベッド代や諸費用を含めると少なくとも15万円程度は必要になると想定されます。

少しは具体的にイメージいただけたでしょうか。
この金額が今の医療保険でまかなえるかどうか、仮にこれ以上の長期入院になった場合の保障は十分か、貯蓄等の切り崩しをしなくても良さそうかなど、できるだけ具体的に検討することが大切です。

自分だけでは難しいという場合は、その道のプロである保険担当者やファイナンシャルプランナー(FP)に相談されることをおすすめします。

ポイント2 今ある保障に足りない分をプラスしよう

今ある保障では足りないと判断された場合、新たに医療保険に加入し直すだけが方法ではありません。

加入中の保険はそのままで、足りない保障をプラスするという考えも効果的です。
これは、年齢が若い時に入った保険ほど保険料が安く、年齢が上がるにつれ保険料も高くなるといった特徴を上手く活用した方法になります。

具体的には、新規でもう1つ同じ保険に加入する、少額短期保険に加入する、県民共済などの共済に加入するなどの方法があります。
この中から今回は少額短期保険についてご紹介します。

追加保障におすすめ!少額短期保険

少額短期保険は、「ミニ保険」とも呼ばれ、以下のような特徴があります。

・ 保障される金額(受取保険金)が「少額」である
・ 保障される期間(保険有効期間)が「短期」である
・ 保険料が「安い」
・ 商品ラインナップが豊富

少額短期保険は、その名の通りの特徴を持っており、足りない保障を補填するといった目的にぴったりの商品と言えます。

基本的に自動更新のため、保険の掛け忘れが防止できるうえ、年齢が上がってもそこまで保険料が高額にならないため、ちょい足し保障として気軽に利用できるメリットがあります。

さらに、持病を持っている方や糖尿病でも加入できるものなど、その種類も豊富で、不利な状況を抱えている人にも重宝される保険となっています。

少額短期保険に加入する際の注意点

少額短期保険への加入を検討される際、事前にご確認いただきたいことがあります。

保険契約者保護機構の対象外です

保険商品は、もし生命保険会社が破綻した場合でも、保険契約者保護機構によって保険契約の大部分が保証されることになっています。
しかしながら、少額短期保険業者はこの保護機構の対象外のため、保険業者が倒産した場合、その保障は消滅してしまいます。

ただし、保険料が安く、保障期間も1年や2年など短期間のものが多い、という特徴を理解した上で加入された方からすれば、大きなデメリットとは言えないでしょう。

生命保険料控除の対象外です

1年間に支払った生命保険料は、年末調整や確定申告で生命保険料控除を受けられるため、所得税や住民税が軽減される効果があります。

一方で少額短期保険の保険料は、金額を問わず生命保険料控除の対象外となります。少額短期保険は保障に厚みを持たせることができますが、節税の効果を期待できるものではありません。

まとめ

本記事での要点を以下、箇条書きでまとめました。

・ 入院時食事療養費が1食360円、1日1,080円となった
・ 2018年4月からは、入院時食事療養費が1食460円、1日1,380円となる
・ 医療費が高額となるため、初診では紹介状なしで大病院へ行かない
・ 傷病手当金・出産手当金の計算方法が見直された
・ 医療保険の見直しは解約前に他の方法を検討する(少額短期保険の追加検討など)

将来的には入院時食事療養費に加えて、差額ベッド代やその他の医療費用の負担がもっと大きくなることも十分考えられます。医療保険の保障は将来を見据えたものでなければなりませんが、だからといって保障が過大になると、支払う保険料も増加してしまいます。

無理なく無駄なく備えるには、将来の概算収入額を踏まえた必要医療保障額を考えていくことが大切です。

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