解禁の不妊治療保険、不妊症の判断に課題は山積み
金融庁は、少子高齢化対策の一環として高額な不妊治療の費用を賄う保険商品を今春にも解禁する方針を固めました。想定として、医療保険の特約として付加し、加入した後に不妊症と判明すれば保険金が受け取れるといったもののようです。
筆者の勝手な憶測ではありますが「不妊治療特約」などといった名前で、保障内容としては、
『不妊治療のために入院した場合や通院した場合に1日○円をお支払いします。手術した場合は給付金の○倍の保険金をお支払いします』
といったオーソドックスなものになるのではと予測しています。
ただ1つ考えなければならないことは、この不妊症は何も女性だけの問題ではないということです。
妊娠しない理由に、男性の問題も十分考えられ、女性と男性の半々だといわれております。また、原因が不明の場合も少なからずある状況です。
さらに妊娠しやすいタイミングや体調、ストレスなど細かな事情が関係することから、不妊症を一概に不妊症といった括りで考えることや、生命保険の特約解禁で何も解決できることではないと考えます。また、男女ともに特約として加入できないのであればそもそもこの特約の意味がなくなってしまいます。
仮に女性限定の不妊症特約に加入して、原因は男性にあった場合、当然保険金が支払われることはありませんし、今まで拠出したお金が無駄なものとなってしまいます。
今春の解禁に向けて、各保険会社の動向が注目されますが、現時点では様子を見ながらお客様へ情報提供するのが無難だと考えています。
(以下は時事通信より一部抜粋です)
不妊治療保険、今春解禁=高額費用を補完―金融庁
金融庁は2日、高額な不妊治療の費用を賄う保険商品を今春にも解禁する方針を固めた。
政府の1億総活躍国民会議は昨年11月、「希望出生率1.8」の実現に向けた緊急対策として不妊治療支援の拡充を提言。公的助成の拡大と歩調を合わせ、民間の保険商品の販売を容認する。
金融庁は近く、関連規則の改正案を公表し、意見募集を経て適用する。これを受け、生命保険各社は商品設計の具体的な検討に入る。病気やけがの治療に備える医療保険の特約として付加し、加入後に不妊症と判明すれば保険金を支払う形が想定される。
不妊治療は、国や自治体による助成制度があるが、多くは健康保険の適用外のため、経済的負担が膨らみがちだった。このため、公的助成を補完する民間保険会社への期待は大きい。
金融審議会(首相の諮問機関)の作業部会は2013年、不妊治療保険について「高額な費用を経済的に補うニーズもあり、社会的意義も十分認められる」とする報告書をまとめた。ただ、信頼性の高い統計データが少ないため保険料の算出が難しいことや、過去の治療歴を隠す加入者への対策などの課題があり、制度整備は見送られていた。
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