相続で後悔しないために!知っておくべき3つの相続方法
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相続・継承
「相続や相続税なんてお金持ちだけの問題」という考えはもう古い?!
平成27年1月に相続税の基礎控除額が引き下げられたことで、今では誰にでも起こりうる身近な問題となりました。
特に株や不動産を相続した場合、価値の評価方法が法律で定められているため、相続税を納めなければならないこともあります。
また、本記事で解説する3つの相続方法を知らないと「相続によって借金を背負うはめになる」といった大問題を抱えてしまう可能性も否めません。
「ウチには大した財産もないはずだから、相続なんて関係ない!」なんて思っているあなたも、ぜひご一読ください。
相続方法その1 単純承認
単純承認とは、 亡くなった人の「プラスの財産」も「マイナスの財産」もどちらも引き継ぐ方法です。
原則的な相続方法で、特別な手続きをしない限り、自動的に単純承認で相続するとみなされます。
プラスの財産とは、亡くなった人の
・現金
・預金
・不動産
・株式
などの財産のことをいいます。
マイナスの財産とは、亡くなった人が抱えていたローンなどの借金を指します。
マイナスよりもプラスの財産の方が多ければ、特別な問題が発生することはないでしょうが、マイナスの財産の方が多かった場合、そのマイナスの財産である借金を背負うことになります。
たとえ両親であっても、他人の抱えた借金を代わりに支払うのは絶対に避けたいところですが、そんなことが可能なのでしょうか。
ずばり、借金を抱えずにすむ方法はあります。
次項で解説する一定の手続きを取れば大丈夫です。
相続方法その2 限定承認
限定承認とは、相続した財産で借金などの債務を弁済した後、プラスの財産があればそれを相続することができる方法です。
逆にマイナスの財産が多く残った場合でも、マイナス財産を相続することはありません。
ご自身が相続人になったとき、プラスの財産が多いかマイナスの財産が多いかわからない場合に役立つ相続方法と言えます。
限定承認の注意点
限定承認をするためには、原則として相続の開始を知ったときから3か月以内に、家庭裁判所に対して「家事審判申立書」を届出する必要があります。
3か月間は、いわゆる熟慮期間とされていて、この期間中に限定承認をするかしないかを選択決定しなければなりません。
さらに、家庭裁判所に対して、一度限定承認をする旨の申述をしてしまうと、仮に熟慮期間内であっても撤回をすることはできませんので慎重に行ってください。
なお、この申し立ては、相続人全員で行う必要があります。
相続方法その3 相続放棄
相続放棄とは、亡くなった人の財産の引き継ぎを一切拒否するための方法です。
相続放棄をすると、プラスの財産もマイナスの財産も引き継がないことになります。
以下のような場合に、有効な方法です。
・借金などの債務が財産よりも多い
・そもそも借金があるかどうかもわからない
・相続問題でもめたくない
なお、限定承認と同様に、相続放棄をする場合も、3か月以内に「相続放棄申述書」を家庭裁判所に届出する必要があります。相続放棄の申述を家庭裁判所へ行ったら、もう撤回をすることはできません。
一方、相続放棄の場合、限定承認とは異なり、相続人全員で申し立てをする必要はありません。相続放棄したい人が単独で行うことができます。
相続放棄が認められない場合もあります
以下の項目に該当する行為をした場合は、単純承認(=すべての財産を引き継ぐ)したとみなされ、相続放棄はできなくなります。
① 相続人が亡くなった人の相続財産を全部または一部について処分したとき
② 相続人が3か月以内に限定承認または相続放棄をしなかったとき
③ 相続人が限定承認または相続放棄をした後に、相続財産に対して「隠ぺい」「個人消費」「財産目録への未記載」をしたとき
限定承認、および相続放棄をするためには、厳格なルールにしたがって手続きをすること、自分だけが得をするようなズルをしないことが絶対条件として求められます。
この記事のまとめ
本記事では、後悔しない相続を実行するために知っておくべき3つの相続方法について解説しました。ここでいう「後悔しない相続」とは、相続によって多額の借金を抱えてしまったり、仲のよかった家族が相続をきっかけに関係がおかしくなったりすることを防止することを指します。
相続によって抱えなくてもよい借金を引き継ぐことは、残された家族を含め子どもや孫の人生にマイナスの影響を与えてしまうきっかけになります。お金のあるなしに関わらず、自分自身や家族を守るための知識として押さえておきたいものです。
以下、解説した3つの相続方法と簡単な内容をもう一度紹介しておきます。
1. 単純承認 亡くなった人の財産をすべて引き継ぐ方法
2. 限定承認 亡くなった人のプラスの財産とマイナスの財産を差引し、プラスの財産が多かった場合は、差引したプラスの財産を相続し、マイナスの財産が多かった場合は相続をしない方法
3. 相続放棄 亡くなった人のプラスの財産もマイナスの財産も引き継がない方法
どれが最適な相続方法かは、その人のおかれた状況によって異なります。相続が開始したとき、どの方法を選択すればよいのかわからない場合は、弁護士やFP(ファイナンシャルプランナー)に相談してみることをおすすめします。
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