国内保険会社、保険料値上げで収入改善
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自動車保険
大手損害保険3グループの4~9月の保険料収入が前年同期から4.7%増加との発表がありました。しかし、その要因を見ると、必ずしも良い内容ではないと感じます。
一つには、10月から10年を超える長期の火災保険の取り扱いがなくなるため、駆け込みで加入していた火災保険を長期契約に切り替える顧客が増えたことです。
加入していた火災保険を解約して、長期契約の火災保険に加入し直すのです。
長期契約は、保険料面で割安感があるため人気があります。
誰でも、少しでも保険料が安い方が嬉しいですよね。
損害保険会社が長期契約の取り扱いをやめる背景には、自然災害の増加で将来のリスクの予想が難しくなったためです。これは、地震保険の保険料が見直され、実質値上げが決まったことからもわかりますよね。
この一年を見ても、台風や豪雨の被害の報道が多く、「今までにこんな被害に遭ったことがない」と言う被害者の声を多く耳にしたと思います。
損害保険会社にとっては、長期契約に切り替えられた契約はその期間保険料は変わりませんから、来年はその契約の保険料アップは望めないことになります。
もう一つは、自動車保険の保険料の引き上げです。昨年7~10月に保険料の値上げがありましたが、結局は加入者の懐を痛めたわけですよね。
その上での保険料増収と言うことですから、手放しでは喜べませんよね。
(以下、日経新聞から一部抜粋)
大手3損保、4~9月保険料収入4.7%増 火災保険で駆け込み
大手損害保険3グループが6日発表した4~9月の保険料収入(速報値)は、計3兆8338億円と前年同期から4.7%増えた。上期で前年の実績を上回ったのは6年連続。期間10年を超える火災保険の取り扱いを10月からやめるのを前に、割安感のある長期契約に切り替える顧客が急増した。主力の自動車保険では契約者の増加や保険料の引き上げが効いた。
損保各社は9月まで最長36年の長期契約に応じてきたが、10月から10年超の引き受けをやめた。台風や豪雨など自然災害の増加で将来のリスクの予測が難しくなったためだ。保険料は期間が長いほど安くなるため、9月までに既存の契約を解消して長期契約を結び直す動きが広がった。9月だけで3グループの火災保険料は2倍前後増えた。
保険料収入の約半数を占める自動車保険は3グループで増えた。昨年7~10月の保険料引き上げに加え、契約件数も底堅かった。
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