シニア・女性向け生保の独自保障に期待
昨今、日本国内での生命保険の需要は下降傾向にあり、国内生命保険会社の海外進出や合併が盛んに行われております。生命保険未加入であるシニア世代や若い女性をターゲットとした女性向けの生命保険が各社次々と保険商品を販売しておりますが、残念な点が多々見受けられます。
1つ目として、より詳細な情報を知るためにホームページなどで情報収集しようとしても満足に行う事ができない点が挙げられます。
2つ目として、特化した独自保障があまり目につかない点が挙げられます。いわゆる保険商品の強みが分かりづらかったり、比較した時に大差が見受けられないといった理由から、契約者にとっての優位性が見つけにくいデメリットがあると思います。
保険会社が推している方向性は間違っていないと思ってはいるものの、顧客目線よりも自社目線での活動が目に付いてしまいます。保
険の必要性を知ってもらうために、学校の授業で保険を取り入れるなどの発想には大いに賛成ではあるものの、授業を行うのであれば保険だけに止まらず、ファイナンシャルプランニングといったお金全体の運用について学ぶ必要があります。
保険会社にとってみると中学生や高校生に関心を持ってもらうための独自の工夫が今後求められると感じます。
シニアや女性をターゲットとした保険商品においても独自の工夫が鍵になってくると思います。似たり寄ったりの保険商品が羅列している中で、加入者に特化したより独自性の強い保障がやはり必要になってくると考えます。
(以下はプレジデント記事からの一部抜粋です)
生保の活路は“シニア&女性向け”商品開発にあり
生命保険協会会長 筒井義信
■ 20代の保険加入率は男女とも50%
デフレ脱却と経済の堅調さが追い風となり、生命保険業界は好決算に沸いている。とはいえ、国内にあっては人口減や少子高齢化などマーケット縮小の懸念材料は消えない。一方で、大手生保によるM&Aも加速。各社が攻勢を強めるなか、この7月に生保協会長に就任した筒井義信・日本生命社長に話を聞いた。
──協会長として任期中に取り組みたいことは。
まず、社会保障制度への提言がある。現在、厚生労働省を中心に様々な検討が進められている。そこでは財政負担の限界から、年金の見直しも取り沙汰され、自助努力の重要性が指摘された。そこで、私どもとしては、年金分野にフォーカスし、公的年金を補完・代替する私的年金の役割を強く訴えたい。すなわち、年金の「公私連携」の呼びかけだ。
さらに、保険教育の推進に取り組んでいく。人生設計における保険の大切さを理解してもらうことで、若者の保険離れを止めたいからだ。いま20代の保険加入率は、男女とも約50%にとどまっている。これでは、将来の安心を担保できない。これまで通り、保険関連の教材を提供することに加え、中学・高校の家庭科等の授業に保険教育をカリキュラムとして加えてもらうよう、働きかけていく。
──人口減少と少子高齢化による国内市場の縮小が懸念されている。
その点は、必ずしも悲観的には考えていない。保険のニーズが多様化しており、そこにチャンスがあると考えるからだ。お客様セグメントごとのニーズに応じた商品開発・チャネル戦略を展開していけば、活路はある。例えば、現在、個人金融資産は約1700兆円にのぼり、その多くはシニア層のものといわれる。この層には、死亡や疾病保障だけでなく、資産形成あるいは相続・贈与といったニーズもある。生命保険を活用して、シニア層のニーズを充足させていくことが必要だろう。
女性が社会でますます活躍するようになっているのもチャンスだ。女性特有の病気で会社を休むような場合には、生活保障が必要になってくる。その間の治療費や所得保障を担う保険商品を開発、普及させたい。
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