日本生命が三井生命を買収。加速する日本セイホの買収戦略。
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生命保険
日本生命が第一生命に平成27年3月期に保険料等収入で首位の座を渡したのは大きなニュースになりましたよね。王者日生のイメージが強かっただけに、日本生命も大きな衝撃を受けたと思います。
この度、日本生命が三井生命を買収する方向で最終調整に入ったことが伝えられました。この買収が成立すれば、日本生命は首位奪還になることでしょう。
元々、三井生命はバブル崩壊以降、逆ざやに苦しんでいました。バブル崩壊当時、「住友生命と三井生命が合併するのでは?」という話もありました。
三井住友銀行、三井住友海上火災保険、三井住友建設など、住友と三井は合併していますので、十分にあり得る話だったと思います。しかし、住友生命も逆ざやに苦しんでいたため、合併してもメリットがないという判断だったのかもしれません。
個人的に気になるのは、日本生命は相互会社ですが、三井生命は株式会社です。かんぽ生命の株式上場も予定されています。第一生命が相互会社から株式会社へと変わったように、今後、日本生命も株式会社化する可能性があるのではないでしょうか。
今後、かんぽ生命も株式上場予定ですし、生命保険の国内での競争は一段と厳しくなると思われます。国内市場の拡大が難しいため、海外へと進出する生命保険会社も増えています。
この日本生命の三井生命買収をきっかけに、生き残りを掛けて、生命保険会社の再編が加速するかもしれません。各社の動向が気になるところですね。
(以下は産経新聞より一部抜粋)
日生が三井生命買収 来月合意、首位を奪還
日本生命保険が三井生命保険を今年度末までに買収する方向で最終調整に入ったことが26日、分かった。三井住友銀行など三井生命の主要株主から約8割の株式を買い取り、子会社化する。買収額は3千億~4千億円となるもようで、9月中の大筋合意を目指す。実現すれば明治生命保険と安田生命保険が合併した平成16年以来、約11年ぶりの国内の大規模再編となる。
日生は27年3月期に戦後初めて、売上高に相当する保険料等収入で第一生命保険に首位の座を明け渡したが、三井生命の買収により奪還を目指す。三井のブランドは残す方向だ。三井生命は三井系企業との取引に強く、銀行の窓口で販売する保険商品も豊富に取り扱っている。ただ、保険料等収入が伸び悩んでいる上、保険商品の実際の運用利回りが契約者に約束した運用利回りを下回る「逆ざや」が続くなど、財務基盤の強化が課題となっていた。
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