もらい事故でも賠償義務が発生。福井地裁が判決。
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自動車保険
福井で起きた交通事故に関して、非常に厳しい判決が言い渡されました。
無過失が証明されなければ賠償責任があると定める自動車損害賠償保障法(自賠法)に基づき、「もらい事故」でも賠償する義務を負うという判決です。
賠償する責任がない場合は、「注意を怠らなかったこと、第三者の故意、過失、自動車の欠陥があったことを証明したとき」と規定されているため、これを証明できない場合は賠償責任があることになってしまうのです。
過失割合が10対0のケースはほとんどなくなるのではないでしょうか。
また、任意保険に加入していても、家族限定にしてあると、家族以外の人が運転して事故を起こした場合は保険の適用になりません。
自動車保険の加入の仕方で補償対象になる、ならないがありますので、今一度、自分の加入している保険をしっかり確認しておくことが大切ではないでしょうか。
自動車保険は保険料の値上げ等もあり、加入時になるべく保険料を抑えようと思う人が多いと思います。
勿論、余分な保険に加入する必要はありませんが、「人」に対する補償はできるだけしっかり加入したいものですね。
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「もらい事故」でも賠償責任負う訳 無過失証明できなければ責任あり
(福井新聞より一部抜粋)
車同士が衝突し、センターラインをはみ出した側の助手席の男性が死亡した事故について、直進してきた対向車側にも責任があるとして、遺族が対向車側を相手に損害賠償を求めた訴訟の判決言い渡しが13日、福井地裁であった。原島麻由裁判官は「対向車側に過失がないともあるとも認められない」とした上で、無過失が証明されなければ賠償責任があると定める自動車損害賠償保障法(自賠法)に基づき「賠償する義務を負う」と認定。対向車側に4千万円余りの損害賠償を命じた。
◇ ◇ ◇
遺族側の弁護士によると、同様の事故で直進対向車の責任を認めたのは全国で初めてという。
死亡した男性は自身が所有する車の助手席に乗り、他人に運転させていた。車の任意保険は、家族以外の運転者を補償しない契約だったため、遺族への損害賠償がされない状態だった。対向車側は一方的に衝突された事故で、責任はないと主張していた。
自賠法は、運転者が自動車の運行によって他人の生命、身体を害したときは、損害賠償するよう定めているが、責任がない場合を「注意を怠らなかったこと、第三者の故意、過失、自動車の欠陥があったことを証明したとき」と規定。判決では、対向車側が無過失と証明できなかったことから賠償責任を認めた。
判決によると事故は2012年4月、あわら市の国道8号で発生。死亡した男性が所有する車を運転していた大学生が、居眠りで運転操作を誤り、センターラインを越え対向車に衝突した。
判決では「対向車の運転手が、どの時点でセンターラインを越えた車を発見できたか認定できず、過失があったと認められない」とした一方、「仮に早い段階で相手の車の動向を発見していれば、クラクションを鳴らすなどでき、前方不注視の過失がなかったはいえない」と、過失が全くないとの証明ができないとした。
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弁護士.宮本健治は、「相手方を虚偽の事由で提訴したり侮辱したりすることは、正当な弁護士業務だ」と言っているようです。
虚偽事由で提訴することは当然違法であり再審事由となる。かつ、弁護士には真実義務があるのですから完全に違法ですね。
福井地裁でもらい事故の不思議な判決が下されたようですが、弁護士.宮本健治は社会正義をどの様に考えているのでしょうか?
ほとんどの弁護士は儲かるかどうかで動いているのであって、正義の意識を持っている弁護士なんてほんの一握りですよ(あえて言うなら自己正当のための正義でしょうか)。
裁判事例をたくさん見てきてそう勉強させてもらいました。