FPが教える火災保険選びの基本マニュアル!
先日、島根県で偶発的な突風が発生し、建物や自動車など大きな被害の生じたニュースが報じられました。
突風や台風、地震などといった偶発的な自然災害において生じた損害は、火災保険や地震保険、自動車保険といった損害保険で補償されることになりますが、契約内容によっては、必ずしも保険金が支払われるとは限りません。
そこで今回は、これら損害保険のうち火災保険基本マニュアルと題して、せめてここだけは抑えておきたい火災保険の厳選ポイントをざっくりと解説していきたいと思います。
関連記事
・○十万円節約!火災保険を安くできる5つの見直しポイント!
・火災保険の水災補償を外して保険料を安くする
火災保険は「火災」以外でも補償される
火災保険は、読んで字のごとく「火災」が起きた場合に補償される保険になります。
そして火災の補償に付け加えまして、「落雷」による損害、突風のような「風災」の損害、「雪害」、「ひょう災」、「破裂や爆発」といった災害に対しても幅広く補償してもらえるケースもあります。
さらに、これらの補償のほか「盗難」などの日常生活トラブルにも対応している特徴があります。
注意点としては、火災保険だからといって必ずしもこれら全部の補償がついているというものではありません。
加入する損害保険会社や契約内容によって個別に異なりますので、この点には注意が必要です。
火災保険の補償内容はどう選んだらよいのか
『そもそも火災保険はどのような補償を選べばよいのですか』といった質問を、火災保険を検討している皆さんからよく頂きます。
お金を支払っている以上、有事のときにしっかりと補償されたいと考えているからこそ当然の質問といえます。
さて、火災保険の補償内容選びのポイントは、ざっくりと申し上げて
「どのような危険に対して備えたいか、もしくは心配なのか」
を明確にしておくことです。
例えば、さきほどご紹介したように火災保険には「火災」、「落雷」、「爆発」、「破裂」などといった基本補償がありますが、これで自分の不安が解消できるかをまずは確認してみましょう。
もしあなたが雪の降る地域に住んでいるのであれば、「雪害」による損害にも補償してもらいたいと考えるのではないでしょうか?
また、台風の多い地域では「風災」による損害を補償してもらいたいと思うでしょう。
場合によっては、近所の治安が悪いため「窃盗」による損害も補償できるようにしたいと考える人もいるかもしれません。
私は雪国在住(秋田県)ですが、
『雪害には対応してほしい。でも台風被害は何十年も記憶にないので風災はそんなに重視しなくてよい。田舎なので窃盗のような犯罪も特段重視しない』
といったように、まずは補償を絞り込んで選ぶことがおおまかなポイントになります。
どの火災保険を選んだらよいのか
保険全般の相談に応じていると
『火災保険はどこの保険会社のものを選べばよいのですか?』
といった質問も多く受けます。
私はお客様の火災保険の加入する目的によって伝え方をわけているのですが、新しく住宅を購入する場合にはまずその金額を把握していなければいけません。
注文住宅、建売住宅、マンションといずれにしましても不動産業者から不動産価格を聞くところからすべてがはじまります。そして、この不動産価格を基に算出された火災保険料を保険会社ごとに比較検討していきます。
後は、前項で解説した補償内容が自分に合っているかを確認して問題がなければ大丈夫でしょう。分からない時には、FPといった専門家に相談してみるのも良い方法です。
火災保険の補償対象はどこまで?
火災保険の補償対象は「建物」と「家財」になります。
ここでいう建物とは、家屋はもちろんですが、門、塀、車庫、物置といった家屋に附属しているものも含まれます。
一方、家財とは、テレビや冷蔵庫、洗濯機、ソファー、タンスなど家電製品や生活に必要な家具全般のことを指します。
火災保険には出来る限り家財の補償を付けるのが望ましいと思いますが、貯蓄などで補填できる範囲であれば家具補償は無理に付けるものではないと私は考えています。
家財の補償に支払う保険料をこつこつ貯めることができれば、有事のときの家財買い替え費用として使うこともできますし、他に使うあてがあれば、そちらの方へ貯めたお金をまわすことができるため効率的です。
あくまでも家財の価値や状況と判断して決めることがポイントです。
地震保険は火災保険とセットが必須条件
地震保険の「いろは」についても伝えておきたいことがあります。
1つ目は、火災保険にセットで加入するのが地震保険で、「セット加入が必須」という点です(地震保険だけ加入することはできません)。
2つ目として、「地震保険料はどこの保険会社で加入しても保険料が同じ」になります。
地震保険料に違いがあるように見えるのは、住んでいる都道府県ごとの保険料の違いであり、保険会社ごとの保険料の違いではありません。つまり、住んでいる都道府県によって最初から地震保険料は決まっていることになるのです。
火災保険選びのまとめ
今回解説した火災保険基本マニュアルの内容は以下のとおりです。
・ まずは火災保険を知る
・ 火災保険の補償内容選びはどのような危険に対して備えたい・心配なのかを明確化する
・ 火災保険の保険商品選びは不動産業者から不動産価格を聞くことからはじまる
・ 火災保険の補償対象は「建物」と「家財」
・ 地震保険は火災保険とセットが必須条件
これらを知っていれば十分です。そして、どれも欠かすことのできない大切な要素です。
偶発的な事故や損害はいつ起こるかわからないからこそ備えは必要になりますが、過剰な心配をしすぎるのではなく、必要な補償範囲を把握してから保険に加入することが最も大切ですね。
PC用
関連記事
-
-
実例からFPがアドバイス!定年前に住宅ローンを完済するために必要なこと
平成28年2月よりマイナス金利政策が始まったことによって、金融機関が融資している住宅ローンの金利が引
-
-
10月に火災保険料が一斉値上げ!住宅ローンにも大きく影響します
大手損害保険各社は平成27年10月に火災保険料を一斉に引き上げます。 当初は一部大手の損害保険会社の
-
-
広がる民泊。専用の民泊保険を大手保険会社が販売。
三井住友海上火災保険が2016年11月に民泊の貸主向けの損害保険を発売します。 民泊は現在、国
-
-
FPが教える!住宅購入前に知っておくべきお金や法律など5つのこと
住宅の購入を考え始めたものの、どこから手をつけたら良いのかわからない!そんな不安をお持ちの方も多いの
-
-
海外赴任・海外駐在員の保険の選び方。節約の方法はある?
グローバル化に伴ってお仕事で海外へ行く方が多くなっています。短期間の出張だけでなく、1年を超えて海外