訪日観光客の医療費の踏み倒し相次ぐ!海外旅行保険の加入義務化は待ったなし。
中国人旅行者が医療費を支払ずにトンズラした事件
2017年に旅行で日本を訪れていた中国人男性が、突然の心臓病で心肺停止に陥りました。
幸いにしてすぐに手術を行って無事に退院する事ができましたが、治療費用は総額1000万円にものぼり、病院側は経済的な事情を考慮し、治療費を分割払いで受け付けることを認めてくれました。
ですがその後、男性とは連絡が取れなくなり、治療費の支払いが滞るようになりました。
病院側は手術時に通訳をした男性の友人を介して男性の息子に連絡を取ったところ、「経済的に余裕がないため治療費は支払えない」とのことでした。
通訳の友人に支払うように促されても、聞く耳を持たないようです。
病院側の厚意で治療費を分割払いにしてもらったにも関わらず、連絡もせずに支払いを滞らせるとはひどい話ですが、この件だけではなく訪日観光客による治療費の未払い・医療費踏み倒しは増えています。
外国人の医療費を日本人が肩代わりすることに。
訪日観光客が増えることは日本に良い経済効果をもたらしますが、先ほども述べた「訪日観光客の治療費未払い」はかなり深刻です。
2016年に近畿運輸局が大阪府内で行った調査によると、訪日観光客を受け入れた医療機関の約30%で治療費の未払いが発生していることが分かりました。
海外では、治療費の支払いが見込めないと病院側が判断すると治療を提供してくれない国もありますが、日本では医師法により基本的に治療の拒否はできません。
現段階では未回収分の治療費は各医療機関が負担しており、このまま治療費の未払いが増え続けて医療機関だけではどうにもならなくなってしまうと、私たちに「増税」や「健康保険料の値上げ」という形で負担が回ってくることが予想されます。
多くの訪日観光客が保険に入っていない。国の対策は急務
訪日観光客による治療費未払いの原因は、「海外旅行保険の未加入」です。
訪日観光客の約3割が保険未加入というデータもあり、多くの人が保険に加入せずに来日しています。
国内損害保険会社では、訪日観光客向けに来日してから加入できる保険を販売していますが、加入する人はあまり多くありません。
やはりこの問題は、医療機関や損害保険会社だけで対処するのではなく、国・行政でも対応する必要があるのではと思います。
例えば「来日する外国人に海外旅行保険の加入を義務付ける」というようにして、日本での医療費に対して備えがない人の入国出来ないようにするのも一つに手だと思います。
また、医師法で「治療費の支払いが見込めない場合は、治療を断っても良い」と定めるのも良いと思います。
病院側で治療を断ることもできるようになれば未払い問題も減るでしょうし、保険加入をして来日する方が増えることも期待できます。
これから東京オリンピックに向けて、訪日観光客は益々増える見込みです。国として、早急に治療費未払い問題に取り組んで欲しいですね。
保険未加入は日本人にも多い。クレカ付帯保険への過度の期待は厳禁!
ここまでは訪日観光客の保険未加入について述べてきましたが、日本人の中にも保険に加入せずに海外渡航してしまう一定数がいます。
なかには「クレジットカード付帯の海外旅行保険があるから大丈夫」で考える人もいますが、クレジットカード付帯の海外旅行保険はあくまでオマケで付いている保険であり、補償内容は決して十分とは言えません。
最も重要な治療費に関する補償も高くて300万円程です。
冒頭に述べた中国人男性のように、もし渡航先で突然倒れて1000万円の治療費がかかることとなったら、クレジットカード付帯の海外旅行保険だけではとても足りませんね。
中国人男性は日本だったから治療を受けられましたが、これが外国なら治療すら受けられないでしょう。
カスタマイズプランでクレカに上乗せ加入すれば費用も安く済む
海外へ渡航するときには、必ず海外旅行保険に加入することをお勧めします。
クレジットカード付帯の海外旅行保険に頼る場合でも、必要な補償だけを上乗せで加入してクレカ保険の不足分を補うという方法もあります。
例えば損保ジャパン日本興亜の海外旅行保険では「オーダーメイドプラン」があり、必要な補償のみを選んで加入することができます。補償の不足分のみ加入できるので、無駄がなく保険料もかなり節約できます。
日本に来る外国人の方も海外へ行く日本人も、海外旅行保険の大切さをどうか知っておいてもらいたいと思います!
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