粗悪な保険を売る者が評価される保険業界の課題
生命保険に携わっている者で一般的な知識と経験があるものであれば生命保険証券を一目見ただけでその保険が良いか悪いか大まかな判断をする事が可能です。
生命保険を売らないFPとして様々な世代の保障内容を確認していくと、とても顧客寄りに立った保険とは思えない内容が羅列しています。もっと分かりやすく言えば、保険会社が儲かる保障内容になっているという事です。
何故、このような事が起こるのか根底にあるのは「営業ノルマ」だと私は考えます。契約社員と言えば聞こえが良いですが、要はアルバイト・パート扱いです。勤務態度が真面目だからといった理由だけで正社員登用になる程、緩い業界ではありません。
つまり、「実績=貢献結果」が求められるのです。
そのような結果を求められている者が提案する生命保険とは果たして本当に良いものなのでしょうか?
もちろんすべてが悪いものだと言い切るつもりはありませんが、圧倒的に粗悪な内容である保険が多いでしょう。毎日の業務で生命保険証券を見ている筆者としても正直うんざりというのが本音です。
結果を残したものだけが正社員へ登用され、残せない者はずっと契約社員のまま、それが嫌なら辞めて結構といった悪循環。粗悪な保険を売った者が評価される仕組みであると筆者は心底感じています。
契約社員が多くなれば多くなる程、粗悪保険は確実に広まります。知識や経験がなければ良い保険を売る事は絶対にできません。まして、組織人として働いているのならば尚更です。うんざりな気持ちがこれからもまだまだ続きそうです。
(以下は産経新聞からの一部抜粋です。「使い捨て」しない人材活用が生保の課題ですね。)
日生、生保最大パート6000人無期雇用 人材確保狙い 改正労働法に対応
日本生命保険が短時間勤務のパートスタッフと呼ばれる契約社員約6千人を無期雇用に切り替えることが9日、分かった。勤続5年以上の契約社員が対象。正規の内勤職員と同様に希望すれば65歳まで働けるようになる。有期から無期への労働契約の転換を定めた改正労働契約法が平成25年4月に施行してから、5年後にあたる30年4月から実施する。日本生命は、無期雇用化を早期に打ち出すことで、安心して働き続けられる環境が整備できると判断した。労働意欲を高めるとともに、優秀な人材をつなぎとめる狙いもある。
これまで契約社員は1年ごとに契約を結び直す必要があり、更新されずに雇用が打ち切られてしまう懸念もあった。これを60歳定年の無期雇用契約に切り替える。再雇用制度を使えば65歳まで働けるようになる。
契約社員は、生命保険の引き受けから支払いまでに関わる事務や顧客対応などを担当している。ノウハウが必要で、能力の高い人材も多い。
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