日本生命が中小企業退職金共済制度を悪用
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生命保険
生命保険大手の日本生命の地方の営業部に勤めていた元部長と職員が、中小企業の従業員を対象にした国の退職金共済制度「中小企業退職金共済制度」を巡り、4年前から架空の会社を作って実際に雇用実態のない人を加入させるなどして、222人分の不正な契約を結ばせていたことが発表されました
このうち、142人には、既に退職金として3,216万円が支払われています。
今回の事件は、生保の営業職が成果至上主義であることが起因していると思います。
勿論、営業であれば成果を問われるのは当然ですが、生保の成果は前年度比何%進展したかで通常評価されます。
しかし、「中小企業退職金共済制度」に加入できる対象者は、無限ではありません。
いつまでも成果が進展していくのは無理なことは考えればわかることです。
それでも会社は成果を求めますから、今回のような事件が起こってしまったのではないでしょうか。
しかも、4年前から不正な契約が結ばれていたにも関わらず、不正に気付かなかったことにも問題があると思います。国民が出したお金を、自社利益・自己利益のために不正に扱おうとする今回の姿勢は悪質なものといえます。
内部のチェック体制が機能していなかったのではないでしょうか。また金融庁による監査もこのような行為をけん制させることが出来なかったのでしょうか。
日本生命は生保業界の王者として君臨してきていました。トップを走る企業だからこそ、内部管理体制や働く従業員のモラル意識の向上も他社の手本にならないといけないと思います。
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日本生命 退職金共済制度で不正契約
生命保険大手の「日本生命」は、中小企業の従業員を対象にした国の退職金共済制度を巡って成績を水増しするために、地方の元営業部長らが実際には雇用実態がない人を加入させるなどして、222人分の不正な契約を結んでいたことを発表しました。
発表によりますと、不正な契約に関わっていたのは、地方の営業部に勤めていた50代の元部長と職員23人です。
この元部長らは、4年前からことしにかけて、中小企業の従業員を対象にした「中小企業退職金共済制度」という国の制度を巡り、架空の会社を作って実際には雇用実態のない人を加入させるなどして、222人分の不正な契約を結ばせていたということです。
このうち、142人には、制度を運営する独立行政法人から退職金として3216万円が支払われており、会社側は独立行政法人に賠償することにしています。
不正があった契約は、日本生命の商品ではなく、会社の直接の利益にはなりませんが、中小企業への営業活動の一環として、加入者が増えた場合は評価される仕組みになっていました。
会社では、元営業部長らが成績を水増しするために不正を行ったものとして、今後、関係した社員を厳しく処分するとともに、この制度を中小企業に勧めることは取りやめるということです。
日本生命は「関係者に多大なご迷惑をおかけし深くおわび申し上げます。内部管理態勢や教育研修体系の一層の強化を通じ、再発防止に努めていきます」としています。
■ 日本生命に対し損害賠償
今回の不正を受けて中小企業退職金共済制度を運営する独立行政法人「勤労者退職金共済機構」は、222人分の不正な契約についてすべて解除するとともに、日本生命に対して損害賠償を求めました。
機構は「制度の申し込みや退職金の請求の際の審査の体制を強化して再発防止に取り組みたい」としています。
(NHK)
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