金融庁、生命保険会社の販売手数料開示を要求
生命保険の乗合代理店へ行ったことはありますか。
多くの保険商品の中から、自身に1番合った保険を提案してくれる、いわゆる「保険ショップ」のことです。
私は2度ほど保険ショップを訪れたことがあります。
いくつかの保険会社のおすすめプランを出してくれてそこから選ぶものだと思っていましたが、実際には1つの保険会社のプランだけを強く勧められました。
さて、金融庁が生命保険各社に対して、乗合代理店へ支払っている販売手数料の開示を求めました。
顧客のニーズより高い手数料の保険を勧めることを防ぐことが目的です。きっと私が訪れた保険ショップは、手数料の高い保険を勧めてきたのだろうと思います。
手数料を開示したからといって、手数料削減にはつながらないのではないか?
ただ手数料開示することで、手数料よりも顧客のニーズに合った保険を提案するようになるかは疑問です。
顧客と代理店側では、保険に対する知識の差が大きすぎます。
「手数料は高いですが、この保険はあなたにメリットがあります。」と言われてしまえば、その言葉を信じて加入する方も多いでしょう。
代理店側は手数料が収入源なので、何としてでも高い手数料の保険を売るのは当然です。
また手数料開示で競争が起こり、手数料が下がる可能性を示唆していますが、そんなに甘いものではないでしょう。
ただでさえ、保険市場は飽和状態です。他社からの切替で顧客を獲得している代理店が多いです。
そこで手数料を下げられてしまえば代理店の経営が厳しくなり、代理店の廃業が増えると思います。手数料を下げることで保険を売ってくれる代理店が減れば、生命保険会社の売上減少にもつながります。
最後に、手数料開示の通達は生命保険会社が対象で、損害保険会社に対してはされていないようですが、これも問題ではないでしょうか。
生命保険会社と損害保険会社では、基本的に取り扱う商品が大きく異なりますが、医療保険やがん保険の「第3分野」と呼ばれる保険に関しては、どちらも取り扱っています。
乗合代理店の中には、生損保両方の医療保険を扱っている代理店もあります。
生保会社の医療保険は手数料開示をして、損害保険会社の医療保険は開示をしないとなれば、混乱を招きます。
通達を出すのであれば、生命保険会社だけではなく損害保険会社にも出すべきでしょう。
全保険の手数料開示要求、金融庁
乗り合い代理店の顧客保護
金融庁が、生命保険各社に対し、複数会社の保険を扱う「乗り合い代理店」に支払っている販売手数料を商品別に開示するよう求めたことが3日、分かった。
乗り合い代理店向けの全商品が対象。代理店がさまざまな保険の中で、ニーズに合うかどうかではなく、生保会社から受け取る手数料が高いものを優先する勧誘から、顧客を保護するのが狙い。実現すれば、競争が起こって手数料引き下げが進み、保険料が安くなる可能性がある。
PC用
関連記事
-
ライフネット生命とKDDIが業務提携。auユーザーに生命保険や医療保険を販売。
ネット系の生命保険の契約は伸び悩んでいる現状です。 自分で選べて、いつでも契約手続きができ、保険料も
-
解禁の不妊治療保険、不妊症の判断に課題は山積み
金融庁は、少子高齢化対策の一環として高額な不妊治療の費用を賄う保険商品を今春にも解禁する方針を固めま
-
海外赴任・海外駐在員の保険の選び方。節約の方法はある?
グローバル化に伴ってお仕事で海外へ行く方が多くなっています。短期間の出張だけでなく、1年を超えて海外
-
生命保険契約を家族にも伝えておくことの大切さ
生命保険の加入率が高い日本ですが、実際に保険金を受け取る事由が発生した際に速やかに請求手続きが取れて
-
第一生命保険、代理店向け展開を狙いDIY生命を傘下に
生命保険会社も生き残りが厳しい時代になったと思います。 大手生保は保険外交員を大量に抱え、