医療費増加と今後の懸念
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社会保障や公的保険
全国健康保険協会(協会けんぽ)は2014年度の収支が前年度に比べて約2倍の3726億円の黒字になるとの見通しを発表しました。協会けんぽは各都道府県に支部がそれぞれ設けられており、中小企業が加入する健康保険の保険者としての役割を担っています。
特徴としては、それぞれの都道府県によって保険料率が異なっている点や被保険者の住所ではなく本社や事業所の所在地における都道府県の保険料率が適用されるといった点が挙げられます。中小企業は健康保険法で定められた法律に従って強制的に加入させられる訳ですから、協会けんぽの収益が黒字になるのは当然の事でしょう。
電力会社のように普段の生活に欠かせないものを扱っているわけですから営業せずとも収益が上がるのです。昨今では医療費抑制のためにジェネリック医薬品などを推奨している場合が多く見受けられますが、これらも増益に影響を与えている一因です。
今回の大幅な増益は年金・健康保険福祉施設整理機構が昨年4月に地域医療機能推進機構に改組されたことに伴う清算金です。従って臨時的収入が大きな黒字をもたらした最大の原因である事が分かります。
少子高齢化の時代に歯止めがかからず、高齢者に対する医療費が年々増加の一途を辿っている中、協会けんぽで直接働いている人がその危険性を一番肌で感じている模様です。私たち国民はどんなに苦しくても法律で決まった内容に従うしかない弱い立場にあります。
将来、医療費負担が増加したとしてもそれに抗えないもどかしさを感じてしまうのは私だけでしょうか?
(以下、医療介護CBニュースより一部抜粋)
協会けんぽ、黒字額倍増の3726億円に 高齢者向け拠出金に歯止め、14年度見込み
全国健康保険協会(協会けんぽ)は8日、2014年度の収支が前年度に比べて約2倍の3726億円の黒字になるとの見通しを発表した。黒字額は08年10月の協会けんぽ設立以来、過去最高。これまで大きな負担となっていた高齢者医療に関する拠出金の伸びに歯止めが掛かったことなどが主な要因だとしている。【松村秀士】
大幅な黒字となるのは、ここ最近、毎期2000億―3000億円増えていた高齢者医療に関する拠出金の伸びに歯止めが掛かったことが要因。14年度はこの拠出金が前年度からほぼ横ばいになる。また、旧政管健保の保険料を財源に設立された年金・健康保険福祉施設整理機構が昨年4月、地域医療機能推進機構に改組されたことに伴い、改組前の医業収益などが清算され、約1000億円の収入があることも一因とみられる。
協会けんぽの担当者は、「支出全体の4割近くを占める高齢者医療に関する拠出金の今後の動向は読めず、予断を許さない状況」と慎重な姿勢を示している。
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