こんな方は要注意!住宅ローン審査に通らない理由&通りやすくする方法
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住宅・住宅ローン
マイホーム購入で多くの方が利用している住宅ローン。誰でも申し込めるものと思われがちですが、利用するには金融機関の審査に通る必要があります。
借り入れ先の金融機関による仮審査、本審査を通って初めて、住宅ローンの融資が実行されることになります。
残念ながら審査に通らなかった場合でも、金融機関はその理由まで回答をすることはありません。そのため、落ちてしまった原因はどこにあったかはご自身で探る必要があります。
本記事では、住宅ローンの審査に通らなかった場合に考えられる理由や、審査に通りやすくする方法 について詳しく解説していきます。
確実に住宅ローン審査に落ちる人とは?
住宅ローンの審査に落ちる原因はわからないと言いましたが、一つだけはっきりとわかるものがあります。それは個人信用情報に問題がある場合、つまり、「ブラックリスト」に載っている方です。
そもそも信用情報とは、金融機関などが個人の借金返済や代金決済の能力を判断するための一つの目安となるものです。
一般的に、シー・アイ・シー(CIC)、日本信用情報機構(JICC)、全国銀行個人信用情報センター(KSC)という3つの信用情報機関が、それぞれ個人の信用情報を管理し、その情報を共有する仕組みとなっています。
クレジットカードの支払いが数か月遅れたり、債務整理をしたりといった金融事故をおこすと、取引先などを通じ上記のような信用情報機関に報告され、信用情報の履歴に掲載されます。これがいわゆるブラックリストに載るということです。
住宅ローンの申し込む前には、申請者の信用情報を確認しておくことが大切です。
住宅ローン審査に通らないと考えられる理由
ブラックリストに載っていないことが住宅ローンを受けるための「絶対条件」となりますが、ここでは、ブラックリストに載ってしまう=住宅ローン審査に通らないと考えられる理由について解説していきます。
1. クレジットカードの支払いを2か月から3か月に渡って遅延した
クレジットカードで買い物をするということは、代金を後払いすることになります。
数か月に渡って代金決済が行われないと、代金を数か月間支払っていないことになるため、カード会社などを通じて信用情報機関へ連絡がいきます。
なかにはついうっかり入金し忘れたり、残高不足で引き落としにならなかった、という場合も考えられるので、すぐ信用情報機関に連絡がいくことはありませんが、クレジットカードの利用はあくまでも信用取引です。毎回、ついうっかりするような人にお金を貸したくないと思われるのは当然のことなので、返済の遅延がないよう気をつけましょう。
2. ローンの支払いを2か月から3か月に渡って遅延した
カードローンや自動車ローンなど、ローンの支払いを数か月に渡って遅延したことがある場合は、信用情報に金融事故として履歴が掲載されている可能性が極めて高くなります。
取引先によって信用情報機関への報告にはばらつきがあるようですが、目安として3か月返済が遅延した場合は、履歴が残ると思って間違いないでしょう。
3. 公共料金の支払いを2か月から3か月に渡って遅延した
電気、ガス、水道などの公共料金における支払いの滞りも、信用情報機関の履歴に掲載される理由になります。業者によって異なりますが、こちらも3か月以上の滞納は、住宅ローンの審査が厳しくなるため注意が必要です。
4. 携帯電話料金の支払いを2か月から3か月に渡って遅延した
毎月の携帯電話料金には、「機種代金」が含まれている契約があります。この機種代金は分割払いという性質上、携帯電話料金の支払いが滞ると、機種代金も支払っていないことになります。そのため、信用情報機関の履歴に掲載される理由になると考えられます。
5. アパートやマンションなどの賃貸料を2か月から3か月に渡って滞納した
アパート等の管理業者によって異なりますが、賃貸料を数か月に渡って滞納することは、信用情報機関への連絡および金融事故歴掲載の理由になります。
6. 税金や年金の滞納・未納が多くある
自営業者などの場合、税金や年金を自主的に納付しなければなりません。これらの納付義務がきちんと果たされていなければ、住宅ローンの審査に通らないことが考えられます。
公務員や会社員は給与から天引きされるためあまり考えられませんが、退職、転職などで税金や年金が変更になったことがある方は、一時的な未納がないか確認しておくようにしましょう。
7. 奨学金の返済を2か月から3か月に渡って滞納した
奨学金には、日本学生支援機構が行っているものをはじめ、学校独自のものなどさまざまあります。たとえば、日本学生支援機構では、滞納月数が3か月を超えた場合、信用情報機関に事故扱いとして連絡がいくようです。
8. 健康状態に問題があったり、直近で入院歴がある
糖尿病やガンなど、重い病気を患っている場合や精神系の病気を患っている場合は、金融機関が取り扱っている住宅ローンの審査に通ることが難しくなります。
通常より高い金利のものであれば、融資が通る可能性もありますが、申し込みの前後で入院していたり、そもそもの健康状態に問題があると判断された場合には、住宅ローンの審査に通らないことも十分考えられます。
9. 複数の消費者金融から借り入れがあり、多くの負債を抱えている
何社もの消費者金融から借り入れがあり、多くの負債を抱えている人が住宅ローンの申し込みに通ることは、絶対にありえません。また、消費者金融との取引があるだけで申し込みを断られる可能性も少なからずあります。
10. 勤め先や事業の経営状態が悪い
住宅ローンの融資において金融機関が求めることは、貸したお金がしっかりと返ってくることです。事業の経営状態が危なかったり、勤務先の経営が不安定だったりすることは、大きなマイナスとなります。
11. 勤続年数が短い
「開業してからの継続年数」や「勤続年数」といったものも考慮されることになります。年数が短いと、住宅ローンの審査に不利な状況を作ってしまうこともあるため、申し込み前の転職はできる限り避けた方が無難でしょう。
住宅ローンの審査を通りやすくする4つの方法
住宅ローンの審査に確実に通る保証は残念ながらありません。でも、審査に通りやすくなる方法はいくつか存在します。
なお、職業や勤め先などによって通りやすい、通りにくいといったことがあるのも事実ですが、ここではそれ以外のものを紹介します。
① 借金がある場合、できる限り完済しておく
消費者金融や銀行系カードローンからの借入がある状態で住宅ローンの申し込みを無事通過するには、相当高いハードルを乗り越えなくてはなりません。なぜならこれらの借入は多くの場合、お金の使い道が自由なフリーローンだからです。
住宅ローンや自動車ローンなどと異なりフリーローンが金融機関から嫌われる理由は、その借入の目的が不明確であるためです。何のためにお金を借りているのかわからなければ、貸したお金がきちんと返済される保証や信用を与えることなどできませんよね。
住宅ローンを確実に返済していける人だという「信用」を得るためには、フリーローンの借入は早急に完済しておくべきでしょう。
② 必要のないクレジットカードは解約する
クレジットカードには、ショッピングとキャッシングの機能がありますが、いずれも借金であることは変わりません。仮にクレジットカードを3枚も4枚も保有している場合、多額のカード利用により住宅ローンの返済が滞ると懸念される可能性は十分あります。
ショッピングやキャッシング枠は、いつでもお金を借りることができる状態だと判断する材料になるため、最悪の場合、住宅ローンの返済が滞る可能性が高いとされるのです。
クレジットカードの保有は必要最低限にとどめ、お金を借りる要素がなく、返済能力が十分に備わっているという印象を与えるようにすることが大切です。
③ 収入を夫婦合算にする
夫婦共働きの場合には、夫婦で収入を合算することでより住宅ローンの審査に通りやすくなります。ただし、妊娠中や産休、育休中の場合、夫婦合算を認めていないという金融機関も多いため注意が必要です。
また、育休があけて職場復帰した後の夫婦合算は、どこの金融機関でもすぐに認められますが、職場復帰後、1か月か2か月程度の収入の確認をしているところも多くあるようです。詳しくは、検討している金融機関に直接ご確認ください。
余談ですが、夫婦どちらかに金融事故歴がある場合、夫婦合算は難しくなります。あらかじめ信用情報機関に、夫婦それぞれの個人信用情報を取り寄せてどちらも問題がないことを確認しておくことをおすすめします。
④ 十分な頭金がある
住宅ローンは頭金なしでも申し込むことができますが、多少なりとも用意しておくとより安心です。頭金がないからといって住宅ローンの審査に落ちることは考えられませんが、逆に頭金があるおかげで審査に通るということは十分考えられます。
住宅ローンの審査では、申し込み時に「保有資産額(現金や預金の金額)」を記入する欄があります。この保有資産が多くあるということは、金融機関からするとお金を返してもらえる「あて」があることになります。つまり、住宅ローンの返済が滞りにくいと判断され、融資しやすくなると言えます。
また、頭金があれば全額融資を受けるより低い金利で借りることも可能になります。融資金額の10%程度を手持ちのお金として準備しておけるとよいでしょう。
個人事業主や農家など自営業を営む方への注意事項
会社員など、毎月一定金額の給与を貰う人に比べて自営業者や個人事業主は、「収入の安定」がありません。このような理由から、金融機関に信用を持ってもらうためには、長年の実績や取引先との長期に渡る取引実績などが必要だと考えられます。
自営業者や個人事業主は、個人信用情報の金融事故歴以外でも、次のようなことにご注意ください。
税金や年金の未納がないこと
自営業者の場合、原則として税金や年金は自主的に納付しなければなりません。未納の税金や年金は、金融機関からすると住宅ローン申込者の債務になります。これらの納付ができないことで住宅が差し押さえられたりする懸念を抱かせることになりかねません。
収入や所得が安定していること
自営業者は毎年の収入が安定しない、ということが住宅ローンの審査においては最大のデメリットとなります。そのため、毎年の収入や所得を証明する「確定申告書」に記載される内容が良好であることが求められます。
金融機関によって融資基準が異なり、収入で判断するところもあれば所得で判断するところもあるのですが、できることなら3年連続で黒字であることが望ましいでしょう。
まとめ
ひとくちに住宅ローンと言っても、融資を受けることはそう簡単ではないと改めて確認することができたのではないでしょうか。何においてもお金の支払いは滞りなく行っておくことが、住宅ローンに通るための必須条件と言えます。
住宅ローンを通りやすくする方法についても、すべてをクリアできていることが望ましいですが、すぐには解決できないこともあると思います。できないからと購入を断念するのではなく、まずはできるところから始めていくことをおすすめします。
マイホーム購入は思い立ってすぐにできるようなものではありません。何年も前から購入計画を立て、着実に実行することが大切です。住宅ローンの申し込みにおいても事前に何が必要なのか、何がクリアできていないのかを明確にして、夢のマイホームに向けた一歩を踏み出してください。
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