「人生の3大資金」への備え方・準備方法をファイナンシャルプランナーが解説
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日常生活の節約
生まれてから死ぬまで、人が生きていくには何かとお金がかかります。
その中でも
・住宅
・教育
・老後
は、特別多くのお金が必要になるため「人生における3大資金」と呼ばれています。
これはすべての人に当てはまるわけではありませんが、結婚、出産、子育てをしながら終のすみかを構えるといった、いわゆる一般的な人生を望む場合、この3つの資金を切り離して考えることはできません。
本記事では、この「人生における3大資金」への備えや考え方について、お金の専門家であるファイナンシャルプランナーが解説します。
ローン返済だけじゃない!住宅資金の考え方
あこがれのマイホーム購入は「人生で最大の買い物」と言われます。
マイホームの購入は、金融機関から住宅ローンを融資してもらうことで実現することが一般的だと思いますが、この時、必ず注意していただきたいことがあります。
それは借りられるお金と返していけるお金はまったく違うということです。
「借りられるお金」と「返していけるお金」はココが違う
年収500万円の人を例に、「借りられるお金と返していけるお金の違い」についてわかりやすく解説します。
はじめに、借りられるお金は別に「借入限度額」とも呼ばれます。
借入限度額は、借りる人の現在の資産状況や、住宅ローンを借りる金融機関における独自のルールによって異なりますが、一般的に年収500万円で「金利が1%」「返済期間が35年」「返済方法が元利均等返済」の借入限度額は、5,166万円という結果になります。
この条件で融資を受けた場合、月々の返済金額はボーナス払いなしで145,828円となります。仮に借入限度額5,166万円をすべて借りることができたとしても、年収500万円の人が1ヶ月あたり145,828円、余裕を持って返済し続けていくことはなかなか厳しいものがあるように思います。
借りられるお金と返していけるお金はまったく違うということがおわかりいただけたでしょうか。
住宅ローンの返済は「手取額」をベースに考える
前述の例からも、住宅ローンの返済はあくまでも返していけるお金、つまり手取額をベースに考える必要があると言えます。具体的には以下のようなイメージです。
毎月145,828円は大変だけど、○円だったら余裕を持って返済していける
上記の「○円」にあてはまる部分を給与明細書や家計簿とにらめっこしながら導き出してみましょう。
住宅ローンの返済金額は「追加費用」も必ず考慮する
住宅購入後は、ローン返済の他にも固定資産税、火災保険料、修繕費用などのお金がかかります。
新しい住宅の場合、火災保険料や修繕費用は少しずつ計画的に貯めていけばよいですが、固定資産税は毎年納める必要があります。
毎月のローン返済に追われ計画的に貯蓄する余裕がなければ、購入した時は良くても、後々苦労することになります。住宅購入前の資金計画においては、このあたりのことまで考慮しておかなければなりません。
データにとらわれないで!教育資金の考え方
子どもの教育資金を考える際にまずお伝えしておきたいことは住んでいる環境によって必要なお金は異なるということです。
必要な資金は居住地域で変わる
首都圏では、子どもを保育所などになかなか預けることができない待機児童が社会問題にもなっています。しかし、地方に目を向けると意外にもそのような問題はあまり生じていません。
子どもを預けて働ける環境が首都圏と比べて少なからず整っていると言えます。
また、首都圏ではいわゆるお受験をし、すばらしい学校に入学してエリート街道をまっしぐらに進むといった教育方針の家庭が多いようですが、こちらも地方に目を向けますとそのような教育のしようがないという事実があります。
なぜなら、そもそもそのような私立の学校が地域にあまりない場合が多いからです。
住んでいる都道府県の環境によっても教育方針や子育ての仕方が異なるため、必然的に必要な教育資金も変わってくることになります。
そのため、子どものために必要な教育資金は「○万円」とは一律で決めつけることはできないと私は考えます。
教育資金はコツコツ準備
ただ1つだけはっきりと言えるのは、大学進学には国公立であれ私立であれ多くのお金がかかるということです。特に初年度は入学費用やその他引っ越し費用、生活準備費用など、まとまったお金がどうしても必要になります。
そのため、どんなに少額でも長い時間をかけてコツコツ貯める努力が必要であることはいうまでもありません。
余談ですが、仮に子育て中の親に支給される児童手当をすべて貯蓄した場合、子供の人数にもよりますが、ざっと200万円以上を貯めることができます。
この金額は、初年度の大学費用に充てることもできるため、いかに計画的な貯蓄が教育資金に重要なのか理解できるのではないでしょうか。
早いうちからの貯蓄、学資保険、奨学金などを上手に活用して計画的な準備をすることが大きなポイントになります。
年金だけで足りる?老後資金の考え方
老後資金も基本的には教育資金と同じ考え方になります。
老後の生活資金も「○万円」必要と一概に言えるものはなく、自分の毎月の生活費、医療費、介護費などを基準にこのぐらい必要だから、これだけ準備しておこうといった考え方が良いでしょう。
生活費としては、原則として65歳から受給できる公的年金は「2ヶ月に1回、偶数月に支給」されるため、ある程度まとまったお金を準備しておく必要もあります。そのためには、老後資金も教育資金と同じように長い時間をかけて少しずつ計画的に貯めていくことが大切です。
たとえば、公的年金が30万円受給できると仮定すると1ヶ月あたり15万円を生活費などに使うことができます。足りるか足りないかは人それぞれの考え方によりますが、足りないようであれば貯蓄から取り崩して生活していくことなどが考えられます。
一方で、十分足りるという場合は、貯めたお金を豊かな老後生活のために使うこともできますし、子や孫への資金援助としても使えるでしょう。
まとめ
今回は、人生における3大資金「住宅」「教育」「老後」にかかるお金について解説しましたが、どのお金にも共通して言えることは、お金を計画的に貯蓄することです。
計画的な準備ができていないからこそ、多くのみなさんがこれらのお金について不安を抱くのではないでしょうか。それぞれのライフプランを考える上で、大きな資金が必要になる時期は必ずあります。
不安な場合や、具体的な対策方法を知りたい場合は、FPなどの専門家へアドバイスを求めてみることをおすすめします。
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