マイホームは新築だけじゃない!中古住宅の選び方とメリット・デメリット
公開日:
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最終更新日:2017/12/22
住宅・住宅ローン
人生で最も高い買い物と言われる「マイホーム」。日本では新築が根強い人気ですが、海外ではあえて中古住宅を購入し、自分の好きなようにリフォームやリノベーションして暮らすスタイルが定着している国も多いようです。
そこで本記事では、住宅購入をお考えの方に中古住宅の選び方とその魅力についてご紹介します。
中古住宅のメリット、デメリットをはじめ、税金や補助金といった気になるお金のことまで。
新築でなかなかいいものが見つからない、予算との兼ね合いで住宅購入自体を諦めかけているという方も、ぜひご一読ください。
中古住宅のメリットとデメリット
まずは、中古住宅のメリットとデメリットについておおまかに解説します。
新築住宅と比較して、自分にはどちらのタイプが適しているのか再確認してみてください。
中古住宅のメリット
・新築住宅に比べて価格が割安
・立地条件を最優先に考えるなら、いい物件が見つかりやすい
・取得後、すぐに住むことができる(リフォームをしない場合)
・実際の建物を見て、確認できる
・新築よりも広い家が手に入りやすい
特に「住みたい地域が決まっている人」や「それなりの広さを求めている人」にとっては、メリットを最大限に活かすことができるため、選択肢としておすすめです。
中古住宅のデメリット
・築年数が経過している程、建物の老朽化がある
・住宅の内装、外装、設備が最新のものではない
・増改築や建て替えができない場合もある
・瑕疵担保責任など、新築に比べると保証が万全ではない
・事故物件の可能性もある
建物の老朽化や設備の古さなどのデメリットは、リフォームやリノベーションといった方法で解消することができます。
むしろ、自分好みの家を新築よりも割安で手に入れることができるのが中古物件の魅力のひとつと言えます。
中古住宅を購入する前に確認しておきたいこと
中古住宅の購入を検討する際、不動産業者との最初の話し合いで確認しておきたい事項をご紹介します。後悔やトラブルを防ぐためにも、購入前にチェックしておきましょう。
登記簿を確認する
現状の登記状況を必ず確認するようにしましょう。
登記簿の見方がわからない場合は、不動産業者から最新の登記簿の写しをもらい専門家へご相談ください。
抵当権がついている場合、借地権がついている場合など、いわゆる「権利関係」が第三者になっている不動産の購入は厳禁です。権利関係を解除してもらい、確実に無くなったことを確認してから購入するようにしましょう。
建築基準法の制限を受けないか確認する
中古住宅の購入にあたっては、その物件が既存不適格物件、再建築不可物件、欠陥住宅ということがないか注意する必要があります。
既存不適格物件とは現在の建築基準法には適合しなくなった物件、再建築不可物件とは建て替えができない物件、欠陥住宅とは雨漏れ、傾き、ゆがみなどのある物件をそれぞれ指します。
いずれの物件も次項で解説するホームインスペクションを受けることで解決できます。独自の見解や不動産業者の言葉だけを信じて購入することは避けましょう。
瑕疵担保責任がどの期間なのか確認する
中古住宅は新築住宅と異なり、売主が「瑕疵担保責任保険」へ加入する義務はありません。つまり、中古住宅に欠陥があったとしても売主は修繕する必要がないことを意味し、購入する側にとっては不利になります。
<ワンポイントアドバイス>
この問題については、以下のような方法で責任の所在を明確にしておくことで、後々のトラブルを回避できます。
・売主との間で瑕疵担保責任の期間をあらかじめ書面で決めておく
・買主が自費で瑕疵担保責任保険に加入する
・ホームインスペクションを依頼し、あらかじめ修繕すべき点を明確にしておく
「ホームインスペクション=住宅診断」のすすめ
気になる物件に出会ったら、購入前に「ホームインスペクション=住宅診断」を専門家へ依頼しましょう。
ホームインスペクションとは、住宅診断とも呼ばれ、これから購入予定の中古住宅が現在どのような状態にあるのかを専門家に第三者の見地から診断してもらうものです。
かかる費用は一般的に5万円から7万円程度です(屋根や床下を詳しく確認するには、別途2万円から5万円程度の費用が必要です)。
ホームインスペクションのメリット
ホームインスペクションを実行する効果は以下の通りです。
・購入予定である中古住宅の老朽化がどの程度であるか確認できる
・リフォームやリノベーションをして住むことができるのか確認できる
・どの部分を特に修繕しなければならないのか確認できる
・住宅購入を失敗するリスクが大幅に軽減される
・無駄に大きな借金を抱えなくて済む可能性が高くなる
・安心して住宅に住むことができる
リフォーム業者の中には、ホームインスペクターの資格を持つ社員がいる場合もありますが、診断の結果およびリフォームの業者選定などに偏りが出てしまう可能性があります。
ホームインスペクションを依頼する際は、一級建築士などの専門家で、かつ中立公正な立場からの診断が可能な独立している建築士に相談することをおすすめします。
中古住宅購入でかかる税金について
物件そのもののチェックはもちろん、税金についても忘れずに確認しておきましょう。
まずは、土地や家屋にかかる固定資産税です。
リフォームやリノベーションをすることで固定資産税の金額は変化することが考えられますが、現時点でどのくらいの金額がかかっているのかを確認しておきましょう。
売主が固定資産税や都市計画税の納付を滞納していないかも合わせて確認しておくと安心です。
もうひとつ重要なのが不動産取得税とその軽減制度です。
不動産取得税とは、家屋や土地を取得した場合に1回のみかかる地方税です。
建築年月日や固定資産税評価額によってその金額が大きく変わる特徴があります。
中古住宅の購入では多くの場合、軽減制度として一定の控除が受けられますが、ご自身で県税事務所へ出向き手続きをしなければ控除は受けられませんのでご注意ください。
補助金をフルに活用する
中古住宅にリフォームやリノベーションをする場合、地域ごとにさまざまな「補助金」が用意されています。
どの地域の補助金制度も「自己負担は少なく、新しい物に変えられる」という特徴があります。これは、中古住宅のデメリットであった「住宅の内装、外装、設備が最新のものではない」点を補える効果が期待できます。
さらに、自治体によってはホームインスペクション費用が助成されるところもあります。
補助金制度についての詳細は、お住まいの地域にご確認ください。
まとめ
中古住宅は、新築住宅に比べて確認しなければならないことが多いイメージをもたれた方もいるかもしれません。
ですが、リフォームやリノベーションをすることで新築同様の理想の住宅を、新築よりも割安で手に入れられる可能性は十分にあります。
補助金制度なども上手に活用して、理想のマイホームを見つけてください。
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