「モラル」が問われる療養費問題
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社会保障や公的保険
国民健康保険の療養費詐取の問題が大きくメディアで取り上げられました。このニュースが報道された事や発端は、そもそも人のモラルや一般常識が問われる問題であると感じております。
例えば、健康保険証や国民健康保険証など1人1枚何かしらの保険証を所持しています。これらは身分証明書となる役割を担っており住所や氏名、生年月日など様々な個人情報が掲載されています。当然の事ながら他人に貸したり他人が使用したりするなどは禁止されています。しかしながら、実際は国民健康保険証を人に貸して療養費詐取問題に関与した人もいる模様です。
極端な話なのですが、ほんの少額のお金を一時的に貸したりする事は日常であるものの健康保険証や運転免許証といった身分証明証を人に貸すという行為自体が一般的にありえません。貸した側のモラルや一般常識が疑われても何らおかしい事はないでしょう。
弁護士が言うには、今回の療養費問題は報酬が貰えると知っていて保険証を貸した場合と知らないで保険証を貸した場合には罪に問われるか否かが異なる様です。あくまでも個人的な主観になってしまいますが、自分に何かしらのメリットがない状態ではたして保険証を他人に貸すのだろうか?と思います。逆の発想で考えると、身分証明書の代わりになる重要なものであるからこそよほどの事がなければ人に貸さないと思うのです。
元を正せば、保険証を人に貸さないといったモラルや一般常識をしっかりと持っていればこのような問題は起こりません。小金を得る為にいかに大きなリスクを背負うのかといった事も自覚しなければならないでしょう。
(以下は産経新聞からの抜粋ニュースです)
療養費詐取「ずさん審査が元凶」 バイト感覚…芸人ら数百人加担
暴力団関係者らによる診療報酬や療養費の架空請求事件では、暴力団組員やお笑い芸人ら数百人が保険証を提供しており、少額の報酬目当てに「アルバイト感覚」で詐欺に加担していた格好だ。全国で絶えない診療報酬の架空請求。捜査幹部は「ずさんな審査が不正請求の元凶だ」と分析している。
◆報酬は数千円
「なんのことだか、分かりません」
10月中旬、架空請求に名前を使われていたお笑い芸人の男は産経新聞の取材に悪びれる様子もなく答え、お笑いのライブ会場を後にした。
警視庁組織犯罪対策4課が入手した保険証を提供したとみられる名義人には、数百人の名前がずらりと並ぶ。その中には、暴力団組員、お笑い芸人の名前もあった。捜査幹部は「保険証提供者の報酬はせいぜい数千円。アルバイト感覚でやっていたとしか思えない」と指摘する。
提供を受けた保険証を悪用して診療報酬や療養費を架空請求していたのは病院や接骨院、歯科医院。テレビ番組に出演して豪遊体験を話していた女医が勤務するクリニックも含まれていた。
医療機関側からは、三戸慶太郎容疑者側に詐取金の一部が上納されていた。三戸容疑者らは経営の苦しい医療機関に目を付けては犯行グループへ勧誘していたとみられる。
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