確定拠出年金にはない個人年金保険のメリット
「老後の年金が心配です・・・。」
30代~40代の子育て世帯のお父さん・お母さんに多い悩みの1つですね。
民間保険会社が取り扱っている「個人年金保険」は、将来の老後資金である公的年金に補填する効果のある生命保険です。
最近は、将来の老後資金対策として確定拠出年金に注目の的が多くあたっていますが、個人年金保険を活用した老後資金対策があまり知られていないような気がしております。
実は個人年金保険には確定拠出年金にはない良い部分があるのです。
今回は、個人年金保険に関するQ&Aや良いところを中心にわかりやすく解説していきます。
最近書いた記事 【確定拠出年金の攻略マニュアル】 始め方から利益を出す鉄則まで
そもそも個人年金保険っていったい何ですか?
個人年金保険とは、民間の保険会社が販売している生命保険で、老後の生活資金である公的年金と共に受け取ることができる「貯蓄性保険」です。
貯蓄性保険とは、満期まで保険料を支払い続けることによって最終的に受け取れるお金が多くなるような保険のことをいいます。
たとえば月々1万円の個人年金保険料を30年間掛け続けた場合は、総額で360万円の保険料を支払う計算になりますが、この保険を満期まで掛け続けることによって最終的に受け取れるお金が400万円になり、プラスの40万円得するといったイメージです。
老後資金のためといった目的がしっかりと定まっている人にはピッタリの貯蓄方法になります。
個人年金保険には税金がかかるのですか?
個人年金保険として受け取ったお金は、加入する時に契約した個人年金保険の契約内容によって「所得税」、「贈与税」、「相続税」などといった税金のいずれか1つがかかる可能性があります。
日本の税法上、二重課税といって、たとえば受け取った個人年金保険に対して「所得税」と「相続税」といった2つの税金が両方かかるようにすることを禁じています。
これは法律でしっかりと定められており、加入する時に契約した個人年金保険の契約内容によってかかる税金の種類も変わってきます。
老後の資金に税金がかかるのであれば個人年金保険に加入するのをためらいたくなる人も多いと思われますが、実は専門的な税金の概算計算を行うと「ほとんど税金がかからない場合」や「ごくわずか」といったことがほとんどなのです。
個人年金保険の注意点:途中解約は損をする
逆に個人年金保険に加入する際の注意点は、「お金が続かない」などといった理由で中途解約すると損をしてしまうことです。
貯蓄性保険ではあるものの、あくまでも金融商品ですから、「お金に余裕がある場合」にかけるものであり、毎月のお金がぎりぎりといった状況ではおすすめできません。
このような不安がある方は、中途解約してもお金が減らない方法(積立定期預金など)でまずは少しずつ資産形成することが大切ですね。
確定拠出年金にはない個人年金保険のメリット
確定拠出年金も個人年金保険も将来の老後資金対策としての目的がありますが、個人年金保険には確定拠出年金にはない大きな強みが2つあります。
1.基本的に誰でも加入することができる
個人年金保険に加入するためのハードルはとても低く、基本的には誰でも加入することができる仕組みとなっています。
あくまでもそれぞれの民間保険会社が定めている引受基準(加入してOK・NGを判断する保険会社それぞれの基準)を満たすことが前提条件となりますが、特段の事情がなければ加入できることがほとんどです。
一方、確定拠出年金は加入するためのハードルが少々高めで、職業や国民年金の未納や免除があれば加入することができないといった特徴があります(平成28年2月現在)。
2.生命保険料控除(個人年金用)が適用できる
個人年金保険の最大の特長といっても過言ではないのが、「生命保険料控除(個人年金用)」が適用できる点にあります。
あくまでも「税制適格要件を満たす」ことが適用の条件ですが、そのハードルも低いのです。
個人年金保険に加入する際に保険会社の担当者や代理店の担当者に、「税制適格要件を満たしているかどうか」を必ず確認するようにしてください。
それでもわからない場合や不安な場合は最寄りの税務署やFPといった保険や税金の知識を持った専門家へ相談してみることをおすすめします。
個人年金保険で効率よく老後資金の確保を!
私も含め、将来の老後や子育てにかかるお金に大きな不安を抱いている30代、40代の子育て世帯は多いのが現状です。
家計のお金の範囲内でやりくりしていかなければなりませんので、どうしてもできることには限界が生じてしまいますが、決して背伸びや無理をしないことが大切です。
個人年金保険は基本的に誰でも加入することができるだけでなく、満期まで加入することでお金が多く受け取れる特長があります。
一方で、無理をして中途解約した場合には損をしてしまいます。
この部分こそしっかりと理解しておかなければならないポイントです。
個人年金保険にしかない大きな2つの強みを最大限に活かし、効率の良いお金の運用と豊かな老後生活つくりを目指しましょう。
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