永久保存版!子育て世帯が知っておくべき2つの遺族年金と仕組み
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最終更新日:2020/10/09
社会保障や公的保険
多くの皆さんが「遺族年金」という言葉を一度は耳にしたことがあると思います。
しかしながら、遺族年金には「支給を受けるための要件」があるため、必ずしも受け取れるものではなく、男女といった「性別」や「年齢」によっても取扱が異なるといった特徴があります。つまり、その時の状況によって個人が受けられる遺族年金には差が生じることになります。
子育て世帯にとっては、不測の事態に備えて生命保険に加入するなどの対策をすでに取っていることと思いますが、この遺族年金においても「どのような時に支給」され「金額はいくらぐらい支給」されるのか知っておくべきだと筆者は考えます。
そこで、今回は「永久保存版!子育て世帯が知っておくべき2つの遺族年金と仕組み」と題して、遺族年金の支給要件や支給金額などについてわかりやすく紹介していきたいと思います。
2つの遺族年金とは
遺族年金は、大きく「遺族基礎年金」と「遺族厚生年金」の2つにわけられます。
遺族基礎年金は、20歳~60歳までに加入義務のある国民年金から遺族に対して支給され、遺族厚生年金は、会社員や公務員など厚生年金保険に加入している人が死亡した時に遺族に対して支給されるといった特徴があります。
たとえば、自営業の場合は国民年金に加入しておりますが、会社員などではありませんので厚生年金保険には加入しておりません。したがって、遺族に対して支給される遺族年金は「遺族基礎年金」のみになります。
一方で、会社員など厚生年金保険に加入している人は、国民年金にも加入している(専門用語で第2号被保険者と言います)ので、結果として「遺族基礎年金」「遺族厚生年金」の両方が支給されることになります。
ここで抑えておきたいポイントは以下の表のとおりです。ここでは、後述する遺族年金の支給要件をすべて満たしているものとします。
職業等 | 遺族基礎年金 | 遺族厚生年金 |
自営業等 (第1号被保険者) |
○ | × |
会社員等 (第2号被保険者) |
○ | ○ |
専業主婦・主夫など (第3号被保険者) |
○ | × |
遺族年金をもらうためには、いくつかの支給要件を満たす必要がある
冒頭でお伝えしましたように、遺族年金をもらうためには、いくつかの支給要件を満たす必要があります。
遺族基礎年金と遺族厚生年金では支給要件が異なりますので、個別に紹介していきます。
上記表で、自分がどの種別(第○号被保険者)に属するのか確認してから読み進めることをおすすめします。
遺族基礎年金の支給が受けられる要件
①「子のいる配偶者」または「その子」であること
② 原則として、死亡した人が国民年金保険料を納めた期間と免除・猶予された期間の合計が、年金に加入すべき期間の3分の2以上であること
③ 特例として、平成28年3月31日以前に65歳未満で死亡した場合には、「死亡する前々月までの1年間」において国民年金保険料の未納期間がないこと
遺族基礎年金の目的は「子育てのための年金」です。したがいまして、子のいる配偶者やその子が遺族となった時のみに支給されるところが大きなポイントになります。また、子どもには年齢制限が設けられており、18歳まで(一般に高校卒業まで)となります。
遺族厚生年金の支給が受けられる要件
① 厚生年金保険の被保険者(第2号被保険者)が死亡したとき
② 厚生年金保険の被保険者の資格を喪失した後、被保険者期間中に初診日のある傷病によって初診日から5年以内に死亡したとき
③ 原則として、死亡した人が国民年金保険料を納めた期間と免除・猶予された期間の合計が、年金に加入すべき期間の3分の2以上であること(遺族基礎年金②と同じ)
④ 障害等級1級または2級の障害厚生年金の受給権者が死亡したとき
⑤ 老齢厚生年金を受給中の人、または受給資格を満たしている人が死亡したとき
上記5つの中で主だったものは①から③の項目になります。会社員や公務員といった第2号被保険者であれば死亡した時、①の条件にあてはまります。
②は、在職中にがんなどの大きな病気が見つかって闘病のため退職したものの、残念ながら5年以内に亡くなってしまったといったイメージです。③は遺族基礎年金と同様の要件になりますが、「年金をたくさん未納している者に遺族年金は支給しない」といった解釈で差し支えありません。
遺族基礎年金額は「定額」遺族厚生年金額は「人によって異なる」仕組み
ここからは遺族基礎年金と遺族厚生年金の支給金額を紹介していきます。
遺族基礎年金は子どもの人数によって支給金額が異なりますが、ここでは「子のいる配偶者」が受け取れる遺族基礎年金を以下へまとめました。
子どもの人数 | 遺族基礎年金額 | 子の加算額 | 年間受取年金額 |
1人 | 780,100円 | 224,500円 | 1,004,600円 (月額83,716円) |
2人 | 449,000円 |
1,229,100円 (月額102,425円) |
|
3人 | 523,800円 |
1,303,900円 (月額108,658円) |
筆者作成
年金は「偶数月の15日」に「2ヶ月分まとめて支給」といった仕組みになっておりますので合わせて覚えておきたいポイントです。
遺族厚生年金額は、今までもらってきた給与や賞与が深く関係します。したがって、人によって年金額が異なる仕組みとなっており、さらに計算式がとても複雑です。
詳しい計算式は、
日本年金機構ホームページ:https://www.nenkin.go.jp/service/jukyu/izokunenkin/jukyu-yoken/20150424.html
でご確認下さい。
まとめ
遺族基礎年金と遺族厚生年金の支給要件を下記の表にまとめました。
内容 | 遺族基礎年金 | 遺族厚生年金 |
支給要件 | ①「子のいる配偶者」または「その子」であること | ①厚生年金保険の被保険者(第2号被保険者)が死亡したとき |
②原則として、死亡した人が国民年金保険料を納めた期間と免除・猶予された期間の合計が、年金に加入すべき期間の3分の2以上であること | ②厚生年金保険の被保険者の資格を喪失した後、被保険者期間中に初診日のある傷病によって初診日から5年以内に死亡したとき | |
③特例として、平成28年3月31日以前に65歳未満で死亡した場合には、「死亡する前々月までの1年間」において国民年金保険料の未納期間がないこと | ③原則として、死亡した人が国民年金保険料を納めた期間と免除・猶予された期間の合計が、年金に加入すべき期間の3分の2以上であること(遺族基礎年金②と同じ) | |
④障害等級1級または2級の障害厚生年金の受給権者が死亡したとき | ||
⑤老齢厚生年金を受給中の人、または受給資格を満たしている人が死亡したとき |
遺族年金の支給を受けるためには、どちらにも共通しているように国民年金保険料の納付等が必須要件です。国民年金の納付は、将来の老後生活資金だけでなく今、家族を守るための大切な保険になることをしっかりと理解しておきたいものです。
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