海外旅行保険が値上げの見通し
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海外旅行保険
損害保険料算出機構は、海外旅行傷害保険の参考純率を引き上げるとのことです。
損害保険料算出機構は会員になっている保険会社から事故等のデータを集め、参考純率を算出しています(損害保険料算出機構の会員は、平成27年4月2日時点で39社です)。
各保険会社は保険料を決定する際に、純保険料(リスクに対する保険料)と付加保険料(人件費等の経費を考慮した保険料)を算出します。参考純率は、純保険料を算出する際に参考となる保険料率です。
純保険料を算出する際、参考純率を適用しなければいけない決まりはありません。しかし参考純率は多数の保険会社の事故データを元に算出されるため、個々の保険会社が自社の事故データのみで保険料率を算出するよりも、より実際のリスクに沿った料率になっています。
参考純率を適用する時期は違えど、この参考純率の引き上げに合わせて、各社は海外旅行傷害保険の保険料率を引き上げるでしょう(引き上げないと、結果的に保険会社が損をしてしまう可能性もあるので)。
各社の商品開発担当者は、参考純率の引き上げに合わせて、保険料の改定・金融庁への認可申請・パンフレットの作り直しなどたくさんの仕事が待っているでしょう…。
余談ですが、私が某損害保険会社に勤めていた時、傷害保険の参考純率の改定がありました。これに合わせて、保険料以外にも約款の文言を全てチェックし、修正しました。
朝から晩までパソコンに張り付いて約款を読んで、本当に大変でした^^;。
今後は保険料がほぼ確実に上がる海外旅行傷害保険ですが、保険料が上がるからといって無保険で海外旅行へ行くことがないように注意してくださいね。
(以下は新日本保険新聞から一部抜粋です)
損保料率機構、海外旅行傷害保険の参考純率を平均20.1%引き上げ
損害保険料率算出機構は3月25日、海外旅行傷害保険の参考純率を平均で20.1%引き上げる改定を実施したと発表した(3月9日金融庁長官への届出、3月25日適合
性審査結果通知受領)。
海外における医療費水準の上昇や為替水準(円安)を背景に、海外旅行傷害保険による支払いのうち、海外旅行中のケガや病気の治療費用を補償する保険金の支払いが増加していることから、今回の参考純率の引き上げになったとしている。
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