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知って損なし!遺言書の作成効果と3つのリスク

公開日: : 最終更新日:2017/03/11 相続・継承

先日、とあるセミナーの講師が、受講している人へ
「人が死亡する確率は何%ですか?」
という質問を問いかけました。

突然このような質問を受けて、「99.9%」や「50%」といった回答をする方も多くみられ、
とても興味深く感じることがありました。

人はいつか必ず死亡しますので死亡する確率は100%ですが、
今回は死亡後に残された遺族に想いを伝える「遺言書」についての作成効果と3つのリスクについて解説していきたいと思います。

遺言に縁がないとお考えの方も残される周りの人を意識しながら読んでいただければ幸いです。

遺言書の作成における効果とリスク

2時間ドラマなどではおなじみだと思いますが「遺言=トラブル」といったイメージをお持ちの方も多いのではないでしょうか。
遺産相続でもめているシーンはよくドラマなどで見受けられますが、実は遺言書の作成目的は、相続人の間における遺産相続トラブルを回避するために作成されるものなのです。

そのためドラマシーンなどは、死亡した人の想いとは逆の効果になってしまっている表れであることがわかります。ここでは、遺言書の作成における良い効果とリスクについて以下へ箇条書きで紹介します。

遺言書を作ることの良い効果

遺産を相続する人(相続人といいます)に対して遺産分割方法を指定することができるため、「争族防止」に役立つ

具体例として「私が死んだら、妻には家と土地、長男と長女には現金100万円を相続させる」といったような遺産分割方法を指定することができます。
相続人が遺言書のとおりに遺産分割を行うことで、遺産相続トラブルを防ぐことができます。

遺言書を作るときの注意点

遺言書作成のルール

遺言書の作成には厳格なルールが設けられており、このルールに反している場合の遺言書は「無効」になります。

自分の想いを紙に書いた「自筆証書遺言」は、もっとも馴染み深い遺言といえる反面、たとえば「日付を書き漏らした場合」や「パソコンやワープロで遺言書を作成してしまった場合」などは、前述した厳格なルールに反しており確実な想いを伝えられない可能性があることも知っておきたいポイントになります。

遺言そのものをできない人がいる

遺言ができない人は「年齢が15歳になっていない人」や「認知症のある高齢者」などがこれにあたります。
わかりやすく説明しますと「遺言の内容を理解できていなければNG」といった意味になります。

遺言は必ず守らなければならないものではない

死亡した人の最期の意思を考えますと、遺言を尊重してあげることが最も望ましいと考えますが、実は遺言書の内容は必ず守らなければならないものではありません。
たとえば「葬儀を豪華にしたい」などといった遺言は認められないことになっています。

専門的な表現になってしまいますが、遺言で認められる効果とは、民法やその他の法律に定められている事項(遺言事項)に限られます。
ここでは、あくまでも遺言は必ず守らなければならないものではないことを知るところがポイントです。

遺言書を作ることの3つのリスク

法律知識のない人が遺言書を作成した場合、遺留分を侵害してしまう可能性がある

遺留分とは「最低限、財産を相続できる権利」のことをいいます。
たとえば「妻には家と土地、長女には現金200万円、長男には相続させない」といった内容の遺言書があったとします。この場合、長男にはいっさい財産が相続されないこととなり、相続人である長男の遺留分が侵害されていることになります。

相続人のうち、死亡した人の配偶者、子、父母、祖父母などは、遺留分を有しているところが知っておきたいポイントです。

相続人への不配慮は「争族」の原因となる

遺言書を作成するにあたり、相続人への配慮を怠ってしまうとかえって争ってしまう原因になりかねません。
相続人からすると、何もしなくとも財産(お金など)が入ってくるわけですから、前項の長男のように一人だけ財産を相続できない状況を作り出してしまうことはできる限り避けるべきでしょう。

最期まで面倒を見てくれた特定の人に対して多く財産を渡したいと考えることは、人として当然のことであり、専門用語で「寄与分」といいます。この寄与分や前項の遺留分を考慮して遺言書を作成するのが相続人を配慮するポイントの1つといえます。

相続人などが遺言者の死亡以前に死亡した場合、その人への遺言部分は失効する

たとえば、自身の父が自身あてに現金100万円を相続させる旨の遺言があったと仮定します。
このとき自分が父よりも先に他界していた場合にこの100万円は、自分の子どもへ相続されるのかといった問題が生じます。

相続には「代襲相続(だいしゅうそうぞく)」といって、本来は父より先に自分が他界していた場合、その財産を相続する権利は孫(自分の子)へ移転することになっています。
つまり、遺言書において孫への代襲相続は認められるのかといった問題が生じますが、これは裁判で実際に争われた事例もあり、結論からいうと原則として認められないことになっています。

しかしながら、遺言書に「代襲者(孫)へ現金100万円を相続させる旨の文言」がある場合には認められる場合があるようです。

遺言書作成のまとめ

今回は、遺言書の作成効果、注意点、主なリスクをご紹介しました。

遺言書は、作成に厳格なルールが設けられているため、確実に意思を伝えたいと考えている場合は自筆証書遺言ではなく「公正証書遺言」という方法がおすすめです。
公正証書遺言とは、公証役場で公証人に作成してもらう遺言のことをいい、費用はかかりますが、遺言が確実に行われる方法になります。

遺言に縁がないとお考えの方もこれを機会に残される周りの人を考えるきっかけ作りになっていただけましたら幸いです。

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