ニッセイが保険ショップを買収し、乗合代理店事業に参入します
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生命保険
日本生命保険は複数の保険会社の商品を取扱う乗り合い代理店事業に参入することがわかりました。保険契約者それぞれにとって求めている保障が異なっているだけに、今回の乗り合い代理店事業への参入は保険契約者のニーズに対する安心・高度な保険設計や更なる企業の拡大が期待されるところです。
従来の日本生命は営業職員による保険商品の販売が中心となっており、銀行窓口での保険販売や乗り合い代理店を通じた自社保険商品の販売は全体の1割程度であったようです。ビジネスにおいて時代の流れや顧客ニーズの変化にいち早く対応していかなければ他社からの遅れを取ることに繋がるのは必至です。日本生命保険は結果として、2014年度の保険料収入において第一生命保険に戦後初めて抜かれることになりました。
同様の一例として通信業界において、アップル社のアイフォン取扱いへの踏み切りに遅れた某通信会社の業績低迷が記憶に新しいのではないでしょうか。
保険業法が改正され保険の取扱い及び募集方法が厳しくなったことや、日本生命保険が乗り合い代理店への参入により、他社との競争が一層激しくなるのは間違いありません。
私たち保険契約者側からすれば、競争が激しくなることによって、より良い保険商品が販売され、ニードに合致している最適なプランを提案してもらう分には大いに結構ではありますが、自社利益最優先の粗悪な保険商品を勧める行為に至らないことを心から祈りたいものです。
日生、保険ショップ買収 中堅ライフサロンを10億円で
(以下、日経新聞より一部抜粋)
日本生命保険は複数保険会社の商品を取り扱う乗り合い代理店(保険ショップ)事業に参入する。全国に50店舗を展開する中堅のライフサロン(東京・千代田)を買収し、今後10年で300店舗まで増やす。営業職員が接点を持ちにくい若年層などへの販売ルートを広げるほか、顧客の要望をくみ取って迅速な商品開発につなげる。
乗り合い代理店は顧客自ら店を訪ねて複数商品を比べて購入するか決める。2年で店舗数が2倍になるなど市場が急拡大している。日生は手数料の透明性を高める保険業法の改正で健全な市場に育つ環境が整ったと判断し、参入を決めた。
月内にライフサロンの第三者割当増資を引き受け、株式の9割超を約10億円で取得する。日生から10人ほど送り込んで新規出店など事業拡大を加速させる。
乗り合い代理店を巡っては、住友生命保険が子会社を通じて「ほけん百花」を展開。伊藤忠商事が最大手のほけんの窓口グループ(東京・渋谷)に24%出資するなど異業種の参入も相次いでいる。第一生命は子会社のネオファースト生命保険が今秋から保険ショップ向け商品の提供を始める。日生の参入で競争が激しくなりそうだ。
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