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海外に行くなら知っておきたい海外療養費制度の活用

公開日: : 社会保障や公的保険

海外旅行と海外療養費制度

国民皆保険と海外療養費制度

私たち日本人はそれぞれ1人1枚保険証を持っています。いわゆる「国民皆保険」と呼ばれる制度であり、すべての国民に対して公的医療保険を適用するという目的で昭和36年4月に体制が実現しました。

健康保険、国民健康保険、後期高齢者医療保険など公的健康保険は様々ありますが、一般に馴染み深い制度としては、子供が誕生した時に支給される「出産育児一時金制度」や、高額な医療費がかかった時でも自己負担上限が適用される「高額療養費制度」などが挙げられます。

関連記事 これだけは知っておくべき高額療養費制度の4つのポイント

これから解説していく制度は「海外療養費制度」ですが、皆さんは海外療養費制度をご存知でしょうか?
初めて聞いたという方、知っているという方、様々だと思いますが、実は気付かないところで大きな役割をはたしている公的健康保険制度です。今回はこの海外療養費制度の基本的な部分について分かりやすく解説していきたいと思います。

海外療養費制度の概要

海外療養費制度とは以下の様な制度の事を言います。

海外療養費制度は、海外旅行中や海外赴任中に急な病気やけがなどによりやむを得ず現地の医療機関で診療等を受けた場合、申請により一部医療費の払い戻しを受けられる制度です。

全国健康保険協会「海外療養費とは」より引用

例えば、風邪をひいて病院で診察を受診した場合などは、あらかじめ保険証を提示しなければ全額自己負担になってしまいます。このような場合、後から保険証を提示する事で本来の自己負担金額のみで済み、多く支払ったお金は払い戻される仕組みになっています。
海外療養費制度はこの仕組みの海外バージョンと思っていただければイメージが沸きやすいかもしれません。

つまり、海外へ渡航中や赴任中に病気やけがで現地の医療機関で治療を受けた場合、当然その場で医療費の全額を支払わなくてはいけません。その支払った全額の医療費を日本へ帰国してから請求すると、自己負担限度額を超えた分を払い戻してもらえるといった制度になります。

確実に抑えておきたい海外療養費制度の注意点

前述した様な流れが海外療養費制度の仕組みですが、必ずしも医療費が払い戻してもらえるとは限りません。
下記で2つの注意点を紹介します。

注意点その1:保険外診療は対象にならない。

海外療養費の支給対象となるのは、日本国内で保険診療として認められている医療行為に限られます。そのため、美容整形やインプラントなど、日本国内で保険適用となっていない医療行為や薬が使用された場合は、給付の対象になりません。

全国健康保険協会「給付の範囲」より引用

皆さんもご存知の様に日本には保険適用と保険適用外の治療があります。
もし海外において日本の保険適用外の医療行為に対して海外療養費を支給すると、日本で治療を受けるよりも海外で治療を受けた方が医療費を安く済ませられる問題が発生します。
従ってそのような問題を避けるためにも、日本国内の保険適用外の治療は海外療養費制度では対象外とされています。

注意点その2:治療目的の渡航は対象外

療養(治療)を目的で海外へ渡航し診療を受けた場合は、支給対象となりません。日本で実施できない診療(治療)を行った場合でも、保険給付の対象とはなりません。

全国健康保険協会「給付の範囲」より引用

海外療養費制度は「急でやむを得ない場合」に支給されるものです。
従って最初から治療目的で海外へ渡航した場合には「急でやむを得ない場合」とは認められません。あくまでも緊急性が海外療養費制度を適用するための必須条件となります。

海外療養費制度と海外旅行保険

海外療養費制度があれば保険会社の海外旅行保険は不要?

海外で何かしらの医療行為を受けた場合、日本とは違って医療費が莫大になる事も少なくありません。
海外療養制度の適用を受けるためには、原則としてその場で治療費全額を海外の病院へ支払う必要があります。実際に請求された海外での医療費については後述致しますが、結論から申し上げると海外へ渡航する際の海外旅行保険は必須です。

クレジットカードにも海外旅行保険と似た保険が付帯されておりますが、それぞれにおいて限度額(特に医療費)が定められており、万が一のリスクに対して決して十分とは言い切れません。
不慮の事故や突発性の病気などが海外渡航中に起こることは滅多にないことですが、発生した時の負担が極大なため、海外旅行保険には加入しておくべきでしょう

海外における医療費請求の実例

海外における医療費請求の事例を下記にまとめました。

国名 事故状況 請求金額
アメリカ クルーズ船が波に揺れて転倒し腰椎骨折及び17日間入院・手術。医師、看護師が付き添って医療搬送をする 29,928,529円
オーストラリア ホームステイ先の庭で遊んでいて木から落下。手首・肘の骨折で10日間入院と手術。家族が現地に駆けつける。 6,107,586円
トルコ 石畳につまずき足首脱臼・くるぶし骨折で8日間入院と手術。家族が現地に駆けつける。 5,917,094円

「損害保険を見直すならこの1冊」より一部抜粋・引用

上記事例はほんの一例にしか過ぎません。骨折で100万円単位から1,000万円単位の医療費を請求されるといった現実を皆様はどのように感じましたか?
この請求額を現地で支払ってこなければならないと考えると「ぞっと」しませんか?
だからこそ、海外旅行保険は必須なのです。

関連記事 アメリカ留学中に盲腸。200万の請求が届きましたがとても払えません。

海外療養費制度のまとめ

冒頭でご説明致しました様に、日本は国民皆保険制度です。所得が多い人でも高額療養費制度の恩恵により1ヶ月の自己負担金額は10万円単位で済みます。

海外療養費制度も同様に自己負担分(保険金差引後)を日本の制度に置き換えて差額分を支払ってくれるありがたい制度です。
世界の事例と比べると、国民皆保険や海外旅行保険の必要性を改めて再認識できるのではないでしょうか?

参考記事

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妊娠中の海外旅行保険【妊婦さんの海外旅行心得】

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